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【tips翻译】某个厨师的杂记(6.18更新完毕)

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存在感

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楼主
发表于 2009/05/24 | 编辑

猜你喜欢: 大富豪 啤酒, 睨みを利かせる


(转载请注明)
这个也是从07在同人展会上发布的tips里面的内容,由于原文太长,所以我分段来翻译。

ある料理人の雑記

――忘れる為に、ここに記す。
願わくは、自分も誰もこれを読まないことを望む。


 伊豆七島ってくらいだから、伊豆諸島には7つ以外の島はないと思っていた。

 六軒島は、当初は相当の小さな島だと聞かされていた。
 だが、貧困な想像力で思い描くところの、椰子の木が一本だけ生えているクジラの背中
のような、畳一枚分しかないような島、というイメージに比べたら、六軒島は充分な広さ
を持っているように思えた。

 島の海岸線は10kmちょっと。全長は3kmあるかどうか。
 それは地図上では確かに小さなものだが、その島に右代宮家の邸宅が一軒あるだけの、
個人所有の島だと考えた場合、その広さは想像を絶するものとなるだろう。

 見事な薔薇庭園の向こうに、堂々とした屋敷を構えた貫禄は、初めて訪れた自分を大い
に驚かせたことをよく覚えている。

 自分の、料理人としての人生が、まるで漫画かおとぎ話の中に出てくるような、大富豪
に専属料理人として召し上げられることにつながるなんて、夢にも思わなかった…。



 そもそも、運がなかった。
 高級ホテルの老舗レストランは、確かに素晴らしい技術を持った料理人たちが腕を競い
合う、緊張感溢れ誇りを持てる素晴らしい職場だった。

 だが、それ以上にプライドやしきたり、しがらみなどが強かったことも事実だ。
 それは、強力なカリスマで料理人たちをまとめてきた総料理長が、突然、体調を崩し引
退することになった時、一気に噴出した。

 腕もプライドも人一倍の料理人にとって、尊敬できるのは自分より優れた料理人だけだ。
だから、どんな石頭も生意気も若造も、総料理長が睨みを利かせている限り、一丸となっ
て仕事をした。
 だから、その総料理長が突然引退すれば、これは必然の結果だったのかもしれない。

 そこでいくつかの派閥に分かれた。
 厨房内でもっとも人望のある人物が、総料理長になるべきだと期待されていた。その人
物は、尊敬できる実績と技術、そして熱心な後輩指導などが高く評価されていた。
 しかし、アクの強い人物であったことも事実で、特にホテル側とうまくやれていたとは
言い難い。

 ホテル側にとって必要なのは、然るべき納期で然るべき予算で、充分な結果を出せる料
理人であり、充分な結果のために、納期や予算で対立する料理人ではない。……その、料
理人としての優先順位の違いが、トラブルとなった。

 ホテル側が推薦した候補者は、典型的な日和見主義者だった。料理の腕よりも、権力者
に媚びへつらっているような印象が強い。彼は、料理の技術を磨くことよりも、次期総料
理長の座を狙うためだけに今日までを過ごしてきたようにさえ見えた。
________________________________________
 結論から言うと、その男が総料理長に就任することになった。我々が納得する人物は、
その補佐ということになった。
 我々はその結果に納得しかねたが、しばらくは様子を見ようとその体制で厨房を回し始
めた。

 しかし、先代との差はすぐに顕著に現れ、料理人たちの不満は爆発した。
 料理人としての誇りを無視したやり方に賛同できない料理人たちは多く、もちろん、俺
もその中のひとりだった。

 やがて、補佐とその同調者たち全員で辞表を叩き付けることで、ホテル側を無理やり交
渉のテーブルに付かせようという話になった。
 もうそれ以外に方法はないというような空気感だった。


 俺は当時、腕もプライドも誰にも負けない、若手の筆頭格だった。……今にして思えば、
料理人であると同時に、ホテルの従業員でもあるという自覚には、欠けていたかもしれな
い。
 補佐は元々、その乱暴なやり方に、初めから乗り気ではなかったらしい。
 もっともそれは後になってわかることだが。当時の若手の俺たちは、いよいよ補佐も反
旗を翻し、あのクソムカつく二代目に一泡吹かせてやれると意気込んだものだ。

 結果、最後に待っていたのはとんでもないどんでん返しだった。
 補佐は最後の最後に慰留され、クーデターに加わらなかったのだ。……実はホテル側は、
派閥抗争が激化した厨房の膿出しをするいい機会だと考えていたらしく、自分たちに有用
な人材には予め慰留を掛けておき、その上でクーデターの発生をわざと見過ごしたのだ。

 俺にはその慰留はなかった。
 ………つまり、ホテル側にとっては、ちょうどいいお払い箱だったわけだ。
 当時の俺たち若手衆は、補佐とクーデターに参加しなかった仲間を、裏切り者だと罵り、
労働争議のような構えを見せはしたのだが……。

 料理人は料理を作ってこそ料理人だ。そして、料理を作らなければ、自分もメシが食え
ない。
 冷静になった者から順に、その騒ぎからひっそりと身を引き、再就職をして消えていっ
た。……その段階に至って初めて、俺はようやく自分の青臭さに気付くのだった。

 老舗レストランの元料理人という肩書きは、武器にもなるが、重石にもなる。再就職先
を見つけるのは容易ではない。

 同格のレストランやホテルへの就職を求めたが、横のつながりが強いこの業界では、ト
ラブルの経緯がすでに知れ渡っていて、トラブル当事者たちを雇ったら今後の関係を見直
させていただくとでも言うような、回状までが回されていたと聞く。
 もはや、俺が料理人と再び名乗れる機会は、金輪際、訪れそうになかった……。
________________________________________
 そんなある日。
 俺に同調して一緒に辞めた後輩から連絡を受けた。
 ある大富豪が、住み込みの料理人を探している、というのだ。
 話を聞くと、給金は悪くないが、労働条件はかなりキツそうなイメージだった。
 その後輩が、かつて世話になった恩返しにと、俺にこの話を振ってくれたのだ。

 何でも、大富豪一家が、専属の料理人を探していて、かなり腕前に注文をつけてきてい
るという。

 しかし、かなりの腕を持つ料理人は、普通、どこかに所属していて、フリーということ
はありえない。それに世話になったしがらみもあり、高給を示されたからといって、ほい
ほいと辞められるわけもない。

 つまり、俺のような人間にはぴったりの求人だったというわけだ。
 孤島のお屋敷で、専属の料理人として仕える……。悪くないシチュエーションだった。
 それに、もはや選り好みできるほどの経済的余裕はない。そして、俺の若々しいプライ
ドも満足できるだけの格もある。
 そして、右代宮家の料理人選考に参加したのだ。


 俺の他にも、10人以上の若手料理人が集められていた。
 正直なところ、俺が最高齢だったかもしれない。……本当の意味で若い連中の中にいる
と、自分のことをまだ若いと思っている自分が、自意識過剰なだけなのではないかと思っ
てしまう。

 ただ、若い料理人たちも、良いインスピレーションを持っていた。さらに経験を積めば、
さらに素晴らしい料理人になるだろう。
 積み重ねという点で、やはり俺にかなりの有利があった。

 また、先代総料理長の仕込みである、接客技術も大いに評価された。厨房から出ない料
理人と、VIP相手に自ら料理を運び、歓談することさえあるホテル料理人の差が歴然と
出る。
 だから、まず俺が採用されるだろうという手応えは感じていた。

 ……しかしそれでも、“他の職場のクセがかえって邪魔になる”というような理由で、
若手を優先して採用する可能性もある。
 結局のところ、神頼みだった。
 だから後に、夏妃奥様の鶴の一声で俺に採用が決まったと知った時、後光が差して見え
たものだ。

 こうして俺は、右代宮家に仕える専属料理人に決まった。
 契約期間中は、関係者以外の人間に一切料理を振舞ってはならないとする契約も、非常
にエグゼクティブに感じられ、俺のプライドをこの上なく刺激した。

 俺の料理は右代宮一族以外には提供されない…!
 悪くない。こうして俺の第二の人生が、六軒島の屋敷で始まることとなったのである…
…。
________________________________________
 俺の料理人としてや、使用人としての苦労話は、ぐだぐだ書いても面白くないだろう。
俺も書いて面白くない。だから、六軒島に勤める人間として、面白いことを書くことにす
る。

 その最たるものが、黄金の魔女、ベアトリーチェの伝説だろう。

 日本全国、どこにいっても祟りやら呪いやらの話はあるものだ。もちろん、俺が勤めて
いたホテルでも、そういう話はいくらでもあった。
 だから新しい職場でそういう話を聞いた時、あぁ、ここにもそういう話があるのかと苦
笑いしたことを思い出す。

 それにしても変わっている。
 日本の怪談は、大抵、幽霊とか日本的な妖怪だ。それが、黄金の魔女、ベアトリーチェ
さまと来るのだから、……何とも違和感を感じたものだ。

 しかし、この時代錯誤さえ感じさせる右代宮家のお屋敷においては、三角巾を頭に巻い
たお岩さんみたいな幽霊が出てきても、むしろ失笑してしまうだけだったろう。このお屋
敷に相応しい怪談だったのかもしれない。

 大広間に堂々と掲げられている肖像画のご婦人が、夜な夜な屋敷を徘徊しているという
のだ。
 そして、そのご婦人こそが、この屋敷の夜の支配者であり、敬いの気持ちを欠かすとひ
どい目に遭わされるとか何とか。

 聞く話では、ベアトリーチェさまのことを馬鹿にする発言をした使用人が、大怪我をし
て辞めたみたいな話もあるらしい。

 ……まぁ、そういうもんだ。何か不幸があれば、それは全て、ベアトリーチェさまの祟
りということになるわけだ。
 ということは不幸が起こった時、敬いを示していなかった人物に責任を転嫁する雰囲気
になりかねない。俺はすぐにそれを理解し、ベアトリーチェさまを畏怖しているジェスチャーを心掛けるようにした。
 しかし内心では、そんな馬鹿なことがあるものかと嘲笑っていた……。

 この、ベアトリーチェの怪談は、古参の使用人たちによって妄信されていた。
 敬わないと祟りがある、というよりは、まるで、実在した人物が非業の死を遂げ、今な
お敬われている…、というような空気感に似ていた。
 少なくとも、ベアトリーチェを馬鹿にするような発言をすることは、現に慎むべきであ
るという強い空気があり、たとえ茶飲み話であったとしても、軽々しいことは口に出来な
かった。

 人間、面白いもので、そういう中にずっと身をおいていると、本当にそういう気持ちに
なってくる。
 いつの頃から俺も、深夜の見回りで巨大肖像画の前を通りかかると、その目がぎょろり
と俺を睨んでいないかと怯えるようになり始めていた。
 それでも、俺には怪談以上のものにはならなかった。……少なくとも、最初のうちは。
________________________________________
 夜の見回りは、広大な屋敷内の戸締りを全て確認しなくてはならないため、骨が折れる。
しかし、家人たちはもう寝静まっているため、使用人としては肩の力が抜ける。

 そんなある晩。
 大広間に通りかかった時、大階段の上へ、人影が消えていくのを見た。足音も聞いた。
 もう旦那様も奥様もお休みになられているだろうと思い、少しダレていたので、俺は大
慌てで緊張感を取り戻した。

 それは、ふわっとした影だったので、何となく女性的なイメージを受けた。
 使用人に、あんなシルエットの人間はいないから、自動的に、奥様かお嬢様だろうと思
った。ネグリジェとかのシルエットのように、何となく思えたのだ。

 しかし、よくよく考えてみれば、おかしな話だった。
 奥様は非常に厳しい方で、屋敷内の廊下は公道と同じであると常々言われていた。
 つまり、寝巻き姿などのみっともない姿で廊下を歩いてはならない、ということだ。

 実際、右代宮家の人間は、自宅であるにもかかわらず、いつも余所行き同然の服装をし
ていた。自宅なんだから、もっと楽な格好でくつろげばいいのに、という論法は、右代宮
家では通用しない。

 実際、お嬢様が着崩しているのを奥様に咎められ、叱責を受けているところも見たこと
がある。

 だから、よくよく考えてみれば、そんなシルエットの人影が、屋敷の中で見られたはず
はないのだ。人影を思い出せば思い出ほど、あれが、この屋敷の誰かであるとは考えら
れなくなった…。

 一体、俺は、……誰を見たのだろう。
 まさか本当に、………ベアトリーチェさま………?
 あの人影を見たのは、大広間。……つまり、ベアトリーチェさまの肖像画の前。
 人影を見たその時よりもむしろ、時間が経ってからの方が薄気味悪かった。


________________________________________
「嘉音さん。今はお暇ですか?」
「………道具を洗って片付けたら、大階段の掃除をするつもりですが。……何か?」

 嘉音という仮の名を持つ、片翼の鷲を許された少年の使用人。
 彼とは、初めから仲良くなれないと思っていたし、これからもそのつもりはない。
 ……しかし、その時は珍しく、彼と話がしたいと思った。

 俺よりも勤続年数が長く、……ベアトリーチェさまの怪談に詳しくて。……それでいて、
ちょっとだけ俺優位で話しかけられる相手。

 それくらいの気分で、彼に話しかけたのだ。
 俺は、自身の体験を誰かに話したかった。

 話してどうなるというものでもないのだが、誰かに話さなければ落ち着かなかったのだ。
 なるほど、王様の耳はロバの耳と、叫ばずにはいられなかった床屋の気持ちがよくわか
る…。

「………あれはベアトリーチェさまだったんでしょうかね。……嘉音さんには似たような
経験は?」
「……………………………。」

 じっと沈黙して、値踏みするような目で凝視する。
 ……まるで、留まるべきか逃げるべきかを思案する猫のようだった。
 あからさまに無視されたのだろうかと思いかけた頃、嘉音さんは返事をしてくれた。

「………僕は深夜勤の見回りの時。………黄金の蝶を、見たことがあります。」
「黄金の蝶……? ……ベアトリーチェさまが現れる時に先触れとして飛ぶとかいう
…?」

 そういうことになっていた。
 金色に輝く蝶は、ベアトリーチェさまの現れる予兆なのだという。

 それはまるで、幽霊が出る前に現れる人魂によく似た位置付けだと感じていた。
 しかし人魂と違い、黄金の蝶には不気味なイメージはない。どちらかというと、もしも
実在するならぜひ一度見てみたいような美しさを感じる。

 ………しかし、たったひとりの深夜の見回りでそれに出くわしてしまったなら、きっと
相応に不気味ではあるだろう。

「……古い使用人たちの間では、黄金の蝶はベアトリーチェさまの現れる先触れであり、
……そしてその後を追えば、ベアトリーチェさまに出会えるだろうと言われていますが、
その後を追ってはならないともいわれています。」

「だから嘉音さんは、後を追わなかった……?」
「はい。……それはベアトリーチェさまに対し、不敬に当たりますので。」
________________________________________
「……その後を追った使用人が確か、大怪我をして辞めたんでしたっけ?」
「そう聞いています。……ベアトリーチェさまは、敬う者には寛大ですが、それを欠く者
には残酷だそうですので。」

 嘉音さんの雰囲気は、ベアトリーチェさまの話を濫りにすることさえ不敬であるという
ような感じだった。……単に私を嫌っている以上のものを感じた。

「貴重な時間を失礼しましたね。多分、あれは私の見間違いだったのでしょう。……多分、
奥様かお嬢様が、寝巻き姿で歩かれたのを見て、勘違いしてしまったのでしょう。」

「……………………。……奥様やお嬢様が、そのような姿で廊下に出られることは、断じ
てありません。」
「しかし私は姿を見ました。白い…、ネグリジェを着た女性のような「」だった。」

「………奥様とお嬢様の寝巻きに、そのようなものは聞いていません。」
「……………………………。」

 その否定的な答えこそが、初めから答えだったのかもしれない。
 奥様でもお嬢様でもない、女性の影。
 ………それは本当に、ベアトリーチェさまだったのだろうか。

 腑に落ちない。あの程度のことで、魔女が存在するなんて認めたくない。……あの人影
が誰なのか、はっきりさせたかった。
 そしてそれは多分、表情に出てしまったのだろう。それに嘉音さんは気付き、まるで忠
告のように言う。

「………郷田さん。悪いことは言いません。……ベアトリーチェさまを冒涜するような行
為は、慎まれた方が身のためかと思います。」
「はっはっは、…まさかまさか。そんなつもりはありませんよ。」

「僕も以前。…ベアトリーチェさまの存在を、疑ったことがあります。」
「え? 嘉音さんが?」

「はい。………今、郷田さんが持っている感情と同じです。古い使用人たちが、敬え敬え
と繰り返す謎の魔女の存在に、疑問を感じたことがあります。……もしその正体があるな
らば、暴いてやろうとさえ。」

 意外だった。
 ベアトリーチェさまを妄信すると思っていた彼も、かつてはその存在に疑いを持ってい
たというのだ。
 ……ならばこそ、気になった。

「その嘉音さんがなぜ、……信じることに?」
「……………………。…………魔女にしか出来ない奇跡を、……見せられたからです。い
え、奇跡じゃない。あれは警告でした。………その存在を疑い冒涜する僕に、ベアトリー
チェさまが警告されたのです。」
________________________________________
「………その話。聞いてもいいですか?」
「……………………………。」

 彼はそこで再び沈黙する。
 しかし、胸の中のもやもやを何とかして晴らしたいと思う俺も、簡単には引き下がらな
い。
 やがて彼は根負けして、彼が魔女の存在を信じるようになったという“事件”を話して
くれた…。


 それは簡単に整理すると、こういうものだった。
 園芸倉庫に、彼が綺麗に道具を収めて片付けたある日。彼は、園芸倉庫の鍵を使用人室
のキーボックスに戻すのを忘れ、ポケットに入れたまま就寝してしまったという。

 園芸倉庫のシャッターは、専用の鍵ひとつでしか開け閉めが出来ない。マスターキーは
なく、スペアキーもない。
 つまり、その晩、誰も園芸倉庫には入れなかったわけだ。

 そして次の朝。
 薔薇庭園の手入れをするため、道具を出そうと園芸倉庫を開けて、彼は驚愕した。
 あれだけ丁寧に整頓したはずの倉庫内がめちゃめちゃになっていて、……しかも床に血
のように赤い塗料で、まるで魔法陣を思わせるような、不気味な図形が描かれていたとい
うのだ。

「そんな馬鹿なことが。…嘉音さんが鍵をずっと持っていたなら、園芸倉庫は密室ではあ
りませんか。誰にも、倉庫内をめちゃくちゃにして、そんなおかしな図形を描けたわけも
ない。」

「…………私も当時は信じられませんでした。……シャッターを開き、まるで竜巻が通り
過ぎた後のような倉庫内がそこにあり、不気味な魔法陣が描かれていた時の衝撃は、今も
忘れられません。」

「確かに、……そんなことがあったら薄気味悪くて仕方ない。しかし、こうは考えられま
せんか? それがあなたを驚かすための手の込んだ悪戯だという可能性も。」

「………………………。……悪戯……?」

「えぇ、そうです。あなたはお若い。他の使用人たちにからかわれて、そういう悪戯をさ
れたのでは?」

「……でも、鍵は僕が持っていた。あの晩に限ってだけは、誰も倉庫に入れたわけもな
い。」

「嘉音さんがご存知ないだけで、もうひとつスペアキーがあるということもあるんじゃな
いですか?」
「………いいえ、ないはずです。」
________________________________________
「それを言い切れますか? 嘉音さんはスペアキーはないと信じてる。しかし、“ない”
は証明できない。実は嘉音さんが知らないだけで、スペアキーは存在するんじゃないでし
ょうか? そう考えれば、その不可解な密室事件は、誰かの悪戯で説明できますよ。」

 俺はちょっと、名探偵にでもなったような気分だった。もちろん、彼からの反論はない。
 だから気を良くし、私はベアトリーチェさまを批判するようなことを口にしてしまった。

 魔女など存在するわけがない。きっと何かの見間違いで、魔女が起こした不可解な出来
事の数々も、きっと全て何らかの偶然やトリックで説明がつくはずだと。

 …………その時、嘉音さんが見せた、大きく目を見開くような表情が、忘れられない。
 そのような恐ろしいことを口にして、きっとただでは済まないとでも言うような、……
愚かな怖いもの知らずに驚くような、…そんな表情だった。

 彼のその不気味な表情が、調子に乗り掛けていた私の心にしばらくの間、棘として残る
のだった………。


________________________________________
 そして、その棘の痛みを忘れかけたある日のこと。
 その日は珍しくお館様が外出された日だった。……しかもその上、旦那様、奥様、お嬢
様までもが旅行で不在という、右代宮一族が島からひとりもいなくなるという、とても珍
しい日だった。

 そのため、シフト表は人数を薄く設定され、この日は、源次さんと私の2人だけが担当
になっていた。

 鬼の居ぬ間に何とやらとはよく言ったもの。本当に気楽な一日だったことを思い出す。
 源次さんはずっと使用人室で、書類事務に忙殺されていた。

 なので俺はこっそりとのんびりと、薔薇庭園を散策し、缶ビールと柿の種で薔薇に乾杯
をしたものだ。本当に気楽な、毎週一日はこういう日があっても良いと思える素晴らしい
一日だった。

 だから、食事も、自分と源次さんの賄い分だけだったので、簡単に済ませた。
 料理の手間がないから、片付けも簡単。せっかくなので、普段よりも丹念に厨房を掃除
し、ピカピカのシンクに満面の笑みを浮かべたものだ。

 源次さんは見回り当番だったので、私はそれを終えると使用人休憩室へ戻り、のんびり
とシャワーを浴びて一日の疲れを癒したのだ。(疲れも何も、薔薇庭園で一杯やっただけ
だが…)

 そしたら、電話が鳴り響いた。
 この時間にわざわざ電話が掛かってくるのだから、何か急を要することだろうかと驚く。
 源次さんは、深夜には電話を鳴らすのも上品ではないという考えの人で、深夜に急用が
あっても電話は極力使わず、相手の部屋まで行ってノックする人だった。

 そんな源次さんが電話を鳴らすのだから、一体何が起こったのかと、大慌てでバスタオ
ルを被りながら受話器を取ったのだ。
 何かありましたか? その返事は実に単純だった。

「……大至急、厨房まで来て欲しい。急げ。」

 その声は、源次さんにしては、少し上擦ったような感じだった。
 声色だけで、何かおかしなことが起こったに違いないと想起させた。

 ……しかし、一体何が起こったというのか。
 厨房と言えば、自分にとってもっとも重要な守備位置だ。そこで何か不手際があったと
すれば、それは紛れもない自分の責任。…しかし、自分に限って、厨房で不手際があるだ
ろうか? とにかく、もう一度着替え、厨房に駆け込むしかなかった。

 そして、………そこで目にしたものを、俺は忘れられないだろう。

「……こ、これは、……………どういうことですか………。」
「手伝ってほしい。私ひとりでは手に負えない。」
________________________________________
 この異常な状況を見て、源次さんの驚きようが、声が上擦った程度でしかないことの方
が、今となっては驚きだった…。
 何しろ、………整然と片付られた、非の打ち所のないはずの、……自慢の厨房が、……
………なぜこんなことに……。

 配膳台の上に、………銀色に磨きこまれた鍋やボゥルが、……まるで子どもの積み木遊
びみたいに……、高々と積み上げられているのだ。

 そしてその周りに、お玉などの調理器具が放射状に並べられ…。………何というのか、
第一印象はまるで、原住民が調理器具で作ったトーテムポールか何かのようにさえ見えた。

 そして、………それらをぐるりと取り囲むように、血のように赤い塗料でべったりと。
……不気味な魔法陣のようなものが描かれているのだ。
 背筋をぞぉっとしたものがこみ上げたのは、言うまでもない……。

 そして。脳裏に、あの棘が蘇る。
 ……これなのだ。嘉音さんが園芸倉庫の中で見たものは、まさにきっと、……これなの
だ…。

「……郷田。こんなものを他の使用人たちに見せるわけにはいかない。今夜中に急いで片
付けよう。」
「そ、そそ、そうですね…。片付けましょう…。だ、誰がこんなことを……!」

 それは口にしてみておかしな話だった。
 今日は六軒島に、自分と源次さんの2人しかいないのだ。

 俺がこんな馬鹿をするわけがない以上、……犯人は自動的に源次さんということに……。
 いやしかし、……源次さんに限って、こんな馬鹿なことをするだろうか…?!

 こんな悪戯をして何になる?! 俺に対する嫌がらせ?! でもしかし、源次さん自身
だってこうして片付けをしている。自分で散らかして自分で片付けるなんて、……そんな
無駄なことを、単に俺を驚かせたいがためだけに、こんな深夜にやるだろうか…?! そ
れこそ考えられない!

 このグロテスクな魔法陣の悪戯に、もし犯人を求めるならば。……………黄金の魔女、
ベアトリーチェだとしか、考えられない……。

「げ、源次さんはいつこれに気付いたんですか……?」
「見回りが終わって使用人室に戻ろうとしたら、厨房の扉が開けっ放しになっているのに
気付いてな。………覗いたら、このザマだった。」

「まさか……泥棒………?!」
「戸締りは完全だった。それにこの六軒島に、泥棒などわざわざ来るわけもない。」

「じゃあ、………誰がこんなことを……!!」
「………………………。……それを詮索する必要はない。郷田はとにかく、鍋を片付ける
ように。私はこれを消す。とにかくこの落書きを他の者の目に触れさせるわけにはいかな
い。」
________________________________________
「あ、あの、私、……嘉音さんに聞いたんですが、前にも園芸倉庫でこんなことがあった
とか……。こ、こういうことはその、…よくあるんですか……?」

 それは聞いてはいけないことだったのかもしれない。
 口は動かしても、手を止めることはなかった源次さんが手を止め、険しそうな表情を浮
かべながら顔を上げる……。

「…………嘉音め。あれほど口外してはならないと言ったのに。」
「す、すみません、彼のことは叱らないでください! 私が無理に聞きだしたんです…!
それより教えてください…! こういうことはその、……前にもよくあったんですか
…?!」

「……時にな。よくある悪戯だ。」
「い、悪戯って、一体誰が…! だって今日は、私と源次さんしかいないんですよ?!
他に誰がいるというんです?! もちろん私じゃない! じゃあ、源次さんがこれを?!
そんなわけだってあるはずがない!! じゃあこれはどういうことなんです、誰の仕業な
んです?!」

「………それを無理に考えようとしてはならない。ただ黙って片付けるのだ。……決して
誰にも口外してはならないぞ。お館様はもちろん、旦那様にも奥様にも、もちろんお嬢様
にもだ。……嘉音は後で罰しておく。」

「に、二度と聞きませんから教えてください…! じゃあ源次さんはこれを、ベアトリー
チェの仕業だというのですか…?!」
「その名をむやみに口にするな。」
「…な、なぜです。」
「…………その名をむやみに、そして呼びつけにする使用人は、なぜか長く持たないから
だ。郷田の料理の腕は、特に奥様が高く評価されている。……お前に辞められては困
る。」

 それはやんわりとした脅迫のようにも聞こえた。
 そして同時に、これがベアトリーチェ“さま”の仕業であることを、半ば理解している
とでも言うようだった。

 ……この奇怪な事件は、……おそらく、園芸倉庫の事件だけではないのだ。
 それらは起こる度に、家人に知られる前に処理され、伏せられてきたに違いない……。

「に、二度と迂闊には口にしませんから………、教えてください。これは、……ベアトリ
ーチェ、さまの、……仕業なのですか……。」

「…………………………………。……私はそうだと思っている。……過去の例では、より
不可解な事件もあった。明らかに人間には不可能な形で。」
「それは……どのような……………?」

「……夜回りをしていた若い使用人が、黄金の蝶を見て、その後を追った。戸締りがされ
た勝手口に行き着き、見失い断念した。」
「確か、黄金の蝶を見ても、……後を追ってはならないということになってましたね…
…?」
________________________________________
「うむ。……そして後を振り返った時。……そこの壁にはこれと同じような魔法陣が壁い
っぱいに描かれていたのだ。」
「え?! じゃ、じゃあ……、その若い使用人が黄金の蝶を追って、諦めて…。…振り返
ったらもうそこに描かれていたというのですか? 壁に背を向けていたわずか数秒の間
に?!」

「………見過ごすような壁ではなかった。彼女は、壁に最初、何も描かれていなかったと
強く証言している。そして勝手口が施錠されているのを確認し、引き返そうと振り返った、
わずか数秒の間だったそうだ。」
「ま、まま、まさかご冗談を……。そんなの、その使用人たちの冗談では…?」

「……連絡を受けて私もそれを消すのを手伝った。……複雑な紋様だった。わずか数秒で
描けるものでは断じてない。そして、見過ごすことも断じてないだろう。その使用人はそ
の直後に高熱を出し、入院して退職した。その後は郷里に帰ったらしい。連絡も付かな
い。」

「…………そんな馬鹿なことが……。い、いや、それすらも高度な悪戯かもしれない!
むしろ、その若い使用人が悪戯の犯人で、そういうことにしてみんなをからかったとか…
…。」
「………………なるほど、そういう見方も出来るかもしれないな。……もうおしゃべりは
これまでにしよう。……だが私は。絶対に人間では不可能なことを、………自らの身をも
って体験している。」
「え………。そ、それは一体…………?」
「…………………………………。」


 源次さんはそこで言葉を切る。…………そして長い沈黙の後、俺を無視して掃除を再開
した……。

 仕事に対しては徹底的に厳格で、その意味では現実主義者的な源次さんが、ベアトリー
チェさまのことに関してだけは、口を噤む…。
 源次さんの沈黙が、むしろ百億の言葉よりも雄弁に、魔女は実在すると俺に語りかけて
くるのだ……。


 全ての後片付けを終える。
 ……厨房に、あんなおかしなトーテムポールと魔法陣があったなんて、私たちが口にし
ない限り、誰も信じないだろう。
 源次さんは再度、誰にも口外しないようにと釘を刺すのだった……。


________________________________________
 俺はその夜の出来事を、強いアルコールで脳を浸すことで、無理やりに忘れ去ろうとし
た。
 そして短くない時間が経ち、……性質の悪い、何者かの冗談だろうと割り切れるように
もなった。

 だが、今でも時折、恐ろしい。
 朝一番に起きて、朝食の準備をするために厨房に入る時。
 ………調理器具が不気味に積み上がってるようなことがまたあるのではないかと、俺は
怯えている。

 思い出してはいけない。
 俺はそれを、ここに記すことで忘れようと思う。

 何しろ、俺はもう二度と、あのような不気味な目には遭わないだろうから……。
Toshiro.G


——这是为了忘记而记录下来的东西。

我只希望,自己也好,其他人也好,谁也不要读到这篇东西。

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我原来以为既然叫做伊豆七岛,那就只是七个岛而已,除了它们以外就没有别的岛了。

当初我听说六轩岛是相当小的岛屿。于是我觉得那岛上顶多就只能长一颗树,大小不过一畳(注1)。
但是,比起我这种贫乏的想象所描绘出的画面来说,六轩岛真的是太大了。

岛的海岸线大约长10公里。岛全长应该有3公里吧。
在地图上看这个岛确实很小,但考虑到这个岛是个人所有的岛,上面仅有右代宫家的宅邸的话,这个岛屿之广阔简直就无法想象了。

在华美的玫瑰庭园的对面,那间大屋壮观无比的气派,我刚到六轩岛的时候可真是让我吓了一跳。这我到现在都还忘不了。

我作为厨师的人生,简直就像是漫画或是街头闲谈当中才会出现的一样,竟然会被雇佣成为大富豪的专属厨师……这我就连做梦也没想到。

起初,我倒霉透了。

老牌高级酒店的餐厅,的确是拥有高超技术的厨师们互相竞争技术,充满紧张感和荣耀的好职场。
但与之相比,面子啊规矩啊,还有小鞋啊什么的更多,这也是事实。
而在以强大的领导力管理着厨师们的厨师长突然因病隐退的时候,那些东西更是一口气都喷发了出来。

对于技术和自尊都远超普通人的厨师,能看得上的只是比自己更优秀的厨师。

因此,无论是怎样的老顽固,自大狂,小屁孩,只要是在厨师长的统领之下,全都团结一致的工作。
而在厨师长突然引退之后,也许那就是必然的结果吧。

因此大家分为了好几个小团体。

在厨房里最有人望的人,被期待着成为厨师长。那个人拥有值得尊敬的实绩和技术,而且热心的指导后进方面也得到了很高的评价。
不过,那个人确实也有恶评,尤其是在酒店那边,很难说是能让酒店方满意。

对于酒店方来说,需要的是在定好的截止时间和预算下,能做出好菜的厨师;而不是为了做出好菜,无视截止时间和预算的厨师。……这种和作为厨师的优先顺位的不同,造成了很多麻烦。

酒店侧推荐的候选者,是奉行见风使舵主义的家伙。比起他做菜的水平,他对上头拍马屁的本事倒还更加让人印象深刻。他仅仅只是为了混到厨师长而拼命到今天,而不是磨练自己的做菜技术。

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结果是,那个男人就任了厨师长。而我们所认可的人,却只当上了候补。虽然我们无法理解这个结果,但还是只能认同现状,回到厨房继续工作。

可是,现任厨师长和先代之间表现出了很明显的差距,厨师们的不满爆发了。
无法认同那种无视厨师的荣耀而乱来的做法的厨师很多,当然我也是其中之一。

发展到最后,厨师长候补和他的追随者们全都递上了辞呈,以此向酒店方交涉。当时已经是除此之外别无他法的状态了。

当时,我是技术和自尊都不输他人,十分突出的好厨师。……现在想来,我当时也许很欠缺自己作为厨师的同时,也是酒店职员的自觉吧。

我后来才知道,厨师长候补本来一开始就不怎么同意我们这种乱来的交涉方法。当时年轻的我们,终于连厨师长候补也不服了,想要一口气把那个该死的混蛋厨师长撵走。
结果,最后我们等来的是出乎意料的结果。

厨师长候补最后被挽留下来,正是因为他没有加入这场斗争。实际上,酒店方觉得这是清理派系斗争激化的厨房,留下对自己有用的人才的机会,所以才故意让我们发动了这场斗争。

我并没有被留下来。也就是说,对酒店方来说,我正是那种需要清理的对象。

当时我们那些年轻人,一边骂着没参加斗争的厨师长候补和其他同伴是叛徒,一边准备申诉劳资纠纷……
但是最后,从冷静的人们开始,大家渐渐从这次骚动中抽身,重新找工作去了。……到了这个阶段,我终于注意到了自己的青涩和不成熟。

作为老牌餐厅的原厨师的经历,既是武器,也是沉重的负担。再次找到工作实在是不容易。

虽然我去同等规格的餐厅和酒店去求职,可是在这横向联系很强的餐饮业当中,我曾经惹过麻烦的事情很快就被对方得知,说是什么要是雇佣了其他酒店的麻烦当事者,以后和那些酒店的关系就不好处了;他们就这样回绝了我的求职。

事到如今,我作为厨师而成名的机会,无论如何,再也不会来了……

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就在这样的一天。
我和与我一起被辞退的后辈那里得到了联络。他说,有一个大富豪,正在招聘私人厨师。
听到这个消息,就让我有种虽然薪水不低,但工作条件很严苛的感觉。

那个后辈,作为对我以前照顾他的回报,才把这个消息告诉了我。

他说,不管怎样,大富豪一家所想要的专职厨师,必须要拥有极高的料理技术。

不过,拥有高超技术的大厨,一般都有所属,不可能是自由之身。在那些地方深受照顾的大厨们,就算给很多钱,也不可能说辞职就辞职。

也就是说,这对像我这样的人来说最合适的职位了。
在孤岛的大屋当中,作为专属厨师来工作。……这是个不坏的机会。
而且,我在经济上也很窘迫,已经没有挑三拣四的余地了。再说,这也是足以让我那高傲的自尊心得到满足的职位。

于是,我参加了右代宫家的厨师选考。

在我之外,还有其他10个人以上的年轻厨师都集合了起来。
老实说,我在这里面也许是年龄最大的人吧。……我想,在真正的年轻人当中,还觉得自己很年轻……这可真是自我意识过剩啊。

年轻的厨师们,都有着很好的灵感。要是再积累经验的话,一定能成为了不起的厨师吧。而在经验方面,对我来说就十分有利了。

还有,在前代厨师长的训练之下,我的待客技术也得到过很高的评价。不能出厨房的厨师,和将自己做的菜端给VIP客户,甚至能与之欢谈的厨师相比,有着极为明显的差距。

因此,我感到自己一定会第一个被雇佣。

……当然也有着“在其他职场工作过反而是个障碍”这样的理由,优先采用年轻人的可能性。
而就其结果而言,真的是老天保佑。

后来,当我知道夏妃夫人的一锤定音选了我以后,真的是长长的松了一口气。

于是,我就被定为服侍右代宫家的专属厨师了。

在合同期间,绝对不能为除了右代宫家关系者之外的任何人做菜。这样的合同有种十分高档的感觉,给了我的自尊心以无上的刺激。

我的料理不能提供给右代宫一族之外的任何人!
不错。这样,我的第二次人生,就从六轩岛的大屋开始了。

我作为厨师,以及作为佣人的辛苦,就算罗哩罗嗦的写出来也没意思。
因此,作为在右代宫家工作的人,就写着岛上一些有趣的事情吧。

其中最为奇特的,是黄金魔女,贝阿朵莉切的传说。

在日本全国,无论在哪里都有作祟或者诅咒之类的传说。当然,在我以前工作的酒店里,也有很多这样的故事。

因此在新的职场(右代宫家)里听说那个传说的时候,我也想着“在这里也有这种传说吗”并且露出苦笑。

但话说回来,确实很奇怪。
日本的怪谈,一般来说就是幽灵啦,还是日本的妖怪之类的。而黄金的魔女,贝阿朵莉切夫人会来……这种传说总让人觉得有种违和感。

不过,在这种让人感觉时代错乱了一般的右代宫家的大屋里,头上卷着三角巾的岩石般的幽灵出来了这种故事,反而让人失笑吧。也许,黄金魔女的传说才是更适合这右代宫大屋的怪谈吧。

这个怪谈中说,在正堂中装饰着华美的肖像画中的少妇,每一夜都在这大屋当中徘徊着。

而这个少妇正是大屋夜晚的支配者,要是对她不敬,就会走霉运。……诸如此类的事情。
听说也有把贝阿朵莉切夫人的事情当作蠢事而嘲笑的佣人受了重伤后辞职的事。
……嘛,也就是这样事了。凡是遇到什么不幸,全都是因为贝阿朵莉切夫人在作祟。
这可能就是把不幸出现的时候,把责任转嫁给没有表示敬意的人物吧。我很快也理解了这一点,表现出对贝阿朵莉切夫人十分敬畏的姿态。
不过,我的内心当中,也嘲笑着这种无谓的傻事……

这个,贝阿朵莉切的怪谈,由于那些老佣人们的传播而被人们妄信着。
与其说是不敬则被会作祟,还不如说简直像是真的有什么人物在此死于非命,如今便必须敬畏她一般……差不多就是这种气氛。

至少,由于周围这种氛围,根本就不能嘲笑贝阿朵莉切。就算是平时的闲谈,也不能轻蔑的谈论它。

人类啊真是有趣的东西,一直在这种状况下工作,我的心理也变成那样了。

不知道从什么时候开始,我在深夜巡逻时,每次路过那巨大的肖像画的时候,就感觉到她的眼睛一直在盯着我而觉得很害怕。
尽管如此,对我来说,贝阿朵的事也只不过是个怪谈而已。……至少,刚开始的时候是这样。

在夜间巡逻时必须要确认广大的大屋中所有门窗都关上,因此这是件很麻烦的事。
而且,因为所有的主人都已经入睡了,为了不吵醒他们,作为佣人的我们,巡逻的时候也很辛苦。

就在那样的一个晚上。
在通过大堂的时候,我看见一个人影消失在大阶梯上。而且还听见了脚步声。
巡逻时,想到老爷和夫人都已经入睡了,我也有些松懈,但这样的事让我发慌,取回了紧张感。

那个人影看起来很轻盈,给人有种似乎是女性的印象。
因为在佣人当中没有那种轮廓的人,所以一下子就让人想到是夫人或是小姐吧。像是她们穿着长睡衣时的人影。

可是,认真想一想,就会觉得很奇怪。
夫人是非常严厉的,常常说大屋的走廊就和公路一样。
也就是说,她绝不会以这种不能见人的穿着睡衣的样子在走廊上走。

实际上,右代宫家的人,不管是不是自己家,总是穿着外出时的那种正式的服装。因为是自家所以可以穿得随意些,这种理论在右代宫家可行不通。

而且我也还碰见过大小姐因为穿得不合礼节而被夫人责骂的事。

因此,认真考虑起来,那种穿睡衣的人影,根本不应该存在在这间大屋里。越想着那人影就越觉得,那绝不会是这个大屋当中的谁……

到底,我是……看见谁了呢。
难道真的是……贝阿朵莉切夫人……?
看到那个人影,是在大堂……也就是,贝阿朵莉切夫人的肖像画前面。
比起看到人影的时候,反而是经过一段时间之后更感觉到毛骨悚然啊。

「嘉音。现在你有空吗?」
「……洗完工具整理好以后,我准备去打扫大阶梯。……有事吗?」
他是持有嘉音的假名字,被允许佩戴片翼之鹫的少年佣人。
我一开始就没有想要和他建立好关系,以后也没有这个打算。
……不过,在那个时候,我很少见的想要和他说话。

比我工作的年限更长,……关于贝阿朵莉切夫人的怪谈知道得更详细。……在这个方面稍微要比我更有优势,所以是个能谈话的对象。

抱着这样的想法,我和他搭了话。
我想要把自己的体验和谁说一说。

也不是说和谁说了就会怎么样,只是不和谁说一说,心里就冷静不下来。
「……那是贝阿朵莉切夫人吧。……嘉音有类似的经验吗?」
「…………」

他一声不响的沉默着,用估价一般的目光凝视着我。
……简直就好像,在考虑着是要留下来还是要逃走的猫一样。

正在我想着自己显然是无视了的时候,嘉音回答道。
「……我在深夜巡逻的时候。……见过黄金之蝶。」

「黄金之蝶……?……作为贝阿朵莉切夫人出现前的预兆而飞舞的那个?……」

说起来就是这样的事情吧。
传说闪着金色光辉的蝴蝶,便是贝阿朵莉切夫人出现的预兆。
那简直就像是出现幽灵前,鬼火就会出现在相似的位置那样的感觉。
不过和鬼火不同,黄金之蝶并没有令人毛骨悚然的感觉。要说起来的话,反而让人有种要真的存在的话一定想要看一看的美感。

……可是,一个人在深夜巡逻的时候出现了黄金之蝶,那也是会相当糁人的。

「……在老佣人之间,传说黄金之蝶是贝阿朵莉切夫人出现的预兆,……而追上它们的话,就会与贝阿朵莉切夫人相遇。但是,大家也说绝对不能追上去。」

「所以,嘉音并没有追上去……?」
「嗯。……因为那是对贝阿朵莉切夫人的、不敬。」

「……追上去的佣人,确实受了重伤而辞职了吧?」
「听说确实如此。……因为贝阿朵莉切夫人,对敬重她的人很宽大,而对不敬的人则是十分残酷。」

嘉音的那种神情,就好象是在说随便谈论贝阿朵莉切夫人便已经很不敬了。……我觉得他单纯只是讨厌我才这样说吧。

「浪费了你宝贵的时间真是对不起。大概,那是我看错了吧。……多半是夫人或者大小姐穿着睡衣在走,让我认错了吧。」
「……。……夫人和大小姐,绝对不可能穿成那种样子走到走廊上。」
「可是我看见了。穿着白色的……长睡衣的女性的影像。」

「……我可没听说过夫人和大小姐的睡衣里有那种睡衣。」
「……………………」

那否定的答案,也许才是他真正开始回答我的问题吧。
既不是夫人也不是大小姐的,女性的身影。
……那真的是,贝阿朵莉切夫人吧。

安不下心来。我可不想,仅仅只是为这种程度的事情,就承认魔女的存在。……我想搞清楚,那个人影到底是谁。

然后我大概是把这样的想法表现在脸上了吧。而嘉音注意到了我的表情,有如忠告我一般说道。
「……乡田先生。不要说坏话。……为了你自己好,冒渎贝阿朵莉切夫人的行为,还是慎重点的好。」
「……哈。哈。……怎么会呢。我并没有这种打算。」
「我也在以前。……对贝阿朵莉切夫人的存在,抱有怀疑的态度。」

「诶?嘉音也?」

「是的。……那时候我的心情,就和现在的乡田先生一样。对于老佣人们之间敬畏不已的魔女的存在,抱有疑问。……我还想要把它的真面目给揪出来。」

真是意外。

就连我认为是妄信着贝阿朵莉切夫人的他,也曾经对她的存在抱有疑问吗?
……正是因此,我才有些在意。
「那么,嘉音,……后来为什么会相信它呢?」
「……因为我见到了……仅有魔女才能做到的奇迹。不。不是奇迹。那是警告吧。……对贝阿朵莉切夫人的存在抱有疑问而冒渎了她的我,被她给警告了。」


「……那件事。可以告诉我吗?」
「…………………………。」
他再一次沉默了。
不过,想要把心里混乱不堪的情绪理顺的我,才不会那么简单就放弃。

终于他输给了我的耐性,说起了那件让他相信魔女的存在的“事件”。

把他说的话简单的整理一下,就是这样的事情。

他在园艺仓库,好好的把工作收拾整理好了的一天。他忘记把园艺仓库的钥匙放回佣人室的钥匙箱里,把钥匙放在口袋里就睡觉去了。

园艺仓库的卷帘门,只有专用的一把钥匙可以开闭它。总钥匙不行,而且也没有备用的钥匙。也就是说,那天晚上,谁也没有进入园艺仓库。

然后第二天早上。
为了进行玫瑰庭院的清扫,嘉音打开园艺仓库想要拿出工具,结果他马上就惊呆了。
那样认真的整理好了的仓库里面完全乱七八糟了……而且地板上也有血一样的红色涂料,描绘着简直像是魔法阵一样的,令人毛骨悚然的图形。

「怎么会有这种蠢事。……嘉音一直拿着钥匙的话,园艺仓库不就是密室吗。谁也不能把仓库里弄乱,描出那样奇怪的图形啊。」

「……我(这里用的私,不是平时的仆)也不相信。……卷帘门被打开,简直就像是龙卷风过境后的仓库里面,描绘着的令人害怕的魔法阵。那时给我的冲击,直到现在还忘不了。」

「确实……遇到那种事会让你害怕也没办法。不过,不能这样考虑吗?那也可能是为了惊吓你而进行的恶作剧。」

「……恶作剧?」

「嗯,是啊。你很年轻。被其他佣人戏弄,结果就给你做了恶作剧什么的,不会是这样吗?」

「……但是,我拿着钥匙呢。仅限于那一晚,谁也不可能进入仓库。」

「不会是只有嘉音不知道的别的备用钥匙还存在着吧?」
「……不。没有的。」

---------------------------------------------------------------------------------------
「这就说完了?嘉音相信没有备用钥匙。可是,“没有”是无法证明的。实际上只是嘉音不知道,但是确实存在着备用钥匙吧?那样想的话,那个无法解释的密室事件,就能够用谁的恶作剧来说明了吧。」
我有了一点成为了名侦探的感觉。当然,他是无法反驳我的。

魔女之类的不可能存在。一定是在哪里看错了。魔女所引起的那些不可解释的事情,一定全部都能够用一些偶然或者诡计来解释。

……那个时候。我所看见的,嘉音睁着大大的眼睛的表情,我怎么也忘不掉。
就好象在说着,从嘴里说出那么可怕的话,一定不会那么简单的就被放过。……那种因为对方愚蠢得连恐怖的东西都不知道而惊讶的……那样的表情。

他的可怕的表情,对于正说得兴起的我来说,心里就好像一时间里扎进了荆刺一样……



然后,那是我已经忘记了那种荆刺之痛的某一天,发生了那样的事情。
那天是少见的当主大人外出的日子……而且不仅如此,老爷,夫人,就连大小姐也因为去旅行了而不在家,整个右代宫一族一个人都不在岛上,是十分少见的日子。

因此,值班表上安排的人数也很少,那一天就只有我和源次先生两个人负责。

人们不是常说鬼不在的时候就怎样怎样的么。(原句应该是鬼の居ぬ間に洗濯,鬼不在的时候就洗衣服,表示自己害怕的人不在的时候就可以悠闲的做自己想做的事情,或者山中无虎,猴子称王这类的意思)。我觉得这可真是轻松愉快的一天。
源次先生一直在佣人室,忙着整理文件。

因此我偷偷的,悠闲的在玫瑰庭院里散步,就着灌装啤酒和柿饼对着玫瑰干杯。真的是很轻松愉快,我心想要是每周有一天这种日子就好了。

后来,炊事方面也因为只需要准备自己和源次先生的份,所以很简单的就完成了。
没有什么料理的手续,收拾起来也很简单。所以我正好就比平时更认真的扫除了厨房,整个厨房里闪亮闪亮的,让我心里特舒服。

因为源次先生负责巡逻,所以我在完成扫除后就回到了佣人休息室,悠闲的淋浴着,以此来解除一天的疲劳(其实所谓疲劳也只不过是在玫瑰庭院玩所造成的罢了)。

就在这时候,电话响了起来。

因为是在这个时间特意打电话过来,我觉得可能是有有什么急事,吃了一惊。

源次先生可是那种觉得深夜打电话很没规矩,就算是深夜里有很急的事情也极力不使用电话,而是到对方的房间敲门的那种人。

因为是那样的源次先生打来的电话,我为了搞清楚到底是发生了什么事,慌忙的披上浴巾拿起了话筒。

发生了什么事?回答倒是很单纯。

「……十分紧急,想请你来厨房。快点。」

那种声音,以源次先生而言,稍微有些声调过高了的感觉。

光是听他的音色,就让人觉得一定是发生了什么特殊的事情。

……可是,到底发生了什么事啊。
厨房对于我来说是最重要的阵地。那里要是出了什么篓子,那就不折不扣的是我的责任。……可是,我在厨房有什么没做好吗?总而言之,我后来只好再次穿好衣服,冲到了厨房里。

而后,……我在那里看到的东西,我怎么也忘不掉。

「……这……这是……怎么搞的啊……」

「来帮忙。我一个人处理不了。」

见到了这种异常状态,就像源次先生的惊讶一般,我也不得不惊讶得提高了声调。
因为……我认真的整理好的,本应十分整洁的……让我自负的厨房……为什么会变成这样……

就在配膳台上面……磨成了银色的锅和腕……就好象孩子玩的积木一样……高高的堆了起来。

而在那周围,鸡蛋等等的调理器具呈放射性排列着。……该怎么说呢,第一印象就像是原住民用调理器具来做成的图腾柱一样。

而……将这些东西团团围住了一样的,紧紧的涂在周围的用血似的颜料所构成的。……描绘着恶心的魔法阵一样的东西。

不用说,我背脊上的凉意飕飕的往上面涌。
此时。在我的头脑中,那个荆刺复苏了。
……就是这个。嘉音在园艺仓库里看到的东西,正是……一定就是这个……。

「……乡田。这种东西不能让其他的佣人们看见。就在今晚上赶紧收拾好。」
「是,是呢……我就整理。可谁……到底是谁做了这种事……」

那说起来真的是很奇怪的事情。
今天在六轩岛上,只有我和源次先生两个人。
既然我不会做这么蠢的事,……那犯人自动就是源次先生了……

不,可是……只要是源次先生的话,就绝不可能做这种无聊的事情啊?!

做这种恶作剧到底是想要干什么?!为了表达对我的厌恶?!但是,源次先生自己也在这么认真的整理。自己弄散自己又在整理,……只是为了惊吓我,就在这样的深夜里做这种无谓的事情……?!那怎么想也不可能啊!

这个奇形怪状的魔法阵的恶作剧,如果要找犯人的话……只能认为是黄金的魔女、贝阿朵莉切……

「诶,源次先生什么时候注意到这个东西的……?」
「巡逻完毕后回到佣人室的时候,看到厨房的门开着,所以就注意到了。……进来一看,就是这样了。」

「难道是……小偷?!」
「门户关得很紧。而且小偷也不可能特意来这六轩岛。」
「那么……到底是谁做了这种……!!」
「……。那不用调查。乡田,总之你把锅收拾好。我这就走了。总之决不能让别人看到厨房是这副样子。」



「那、那个、我……从嘉音那里听说过,以前在园艺仓库也有过这种事情……这种事、那个、常常发生的吗……?」

也许这是不能够开口询问的问题。
刚才就是说话时手里也没有停下来的源次先生停下了手里的活,露出严厉的神色朝我转过头来。
「……嘉音这小鬼。明明那样给他强调过不能说出口。」
「对、对不起。请不要骂他!是我非要缠着问他的……!先不说这个,请告诉我……!这种事情……那个、以前也经常发生的吗?!」

「……有时候的。常有的恶作剧了。」
「恶作剧、到底是谁……!要说今天可不是只有我和源次先生吗?!还有别的人吗?!当然不会是我!那么,是源次先生做的?!那根本不可能啊!!那这到底是怎么回事,到底是谁搞的鬼啊?!」

「……不要勉强自己去考虑这件事。只要默默的整理好就行了。……这事绝不要泄露给其他人。告诉当主大人当然不行,老爷和夫人也不行,还有大小姐也不行。……嘉音我以后会惩罚他的。」

「我再也不会问第二次了,所以请你告诉我……!那么源次先生也是说、这件事是贝阿朵莉切搞的吗……?!」
「不要随便把这个名字说出口。」
「……为、为什么。」
「……把那个名字随便的说出口、或是呼唤她的佣人、不知为什么都不能长久的待在这里。乡田的料理技术,得到夫人的极高评价。……要是你提出辞职的话就困扰了。」

这话听起来就像是在委婉的表达胁迫的意思。

而在同时、这是贝阿朵莉切“夫人”的行为,这一点我至少算是理解了一半了。

……这种奇怪的事件……恐怕,不仅只有园艺仓库的那一次。
这些事件出现的时候,恐怕都在大家知道之前就已经处理好,掩盖过去了吧。

「我不会再糊涂的说出口了……请再告诉我一下。这是、贝阿朵莉切……夫人……做的事吗?」
「………………。我认为是如此。……过去发生的事,都是些无法解释的事件。明显是人类做不到的事。」
「那是……怎样的事情……」

「……夜晚巡逻的年轻的佣人,看到了黄金的蝴蝶,于是追在后面。到达已经关好了的侧门的时候就失去了行踪,只得放弃。」
「确实就是说就算见到黄金之蝶,……也不能追在它们后面吗……?」


「嗯。……然后他回过头的时候。……发现那里的墙壁上也画上了和这里一样的魔法阵。」
「诶?!那、那……那个年轻佣人追着黄金之蝶、放弃了……就在回过头的时候,魔法阵已经画在那里了?只是在背朝着墙壁的几秒钟之内?!」

「……并不是看漏了墙壁上的图案。她强烈证言说墙壁上已开始什么都没有画上。然后就在确认侧门关好后,回过头来,这几秒钟里就画上魔法阵了。」
「简直就像是在开玩笑。那……不是佣人之间的玩笑话吧……?」
「……接到联络后我也去帮忙清洗了。……是复杂的纹样。不能判断出它是仅仅几秒钟可以画出来的东西。另外,也判断不出是佣人看漏了。那个佣人此后就发了高烧,住院,后来辞职了。此后好像是回老家了吧。我也没有和她联络了。」

「……那种没道理的事竟然会……不、也许是比那更恶劣的恶作剧吧!不如说,是那个年轻的佣人就是恶作剧的犯人,做这种事来吓大家什么的……」

「……原来如此。这种说法也说得过去。……谈话到这里为止就好。……不过我。曾经亲自体验过人类绝对做不到的事件。」
「诶……那……那到底是……」
「……」

源次先生的话就到那里结束了。……然后在长久的沉默之后,他无视我继续开始了扫除。

对于工作要求彻底严格,从这个意义上讲完全是现实主义者的源次先生,只是谈到了贝阿朵莉切夫人的事情,就闭口不言了……。

源次先生的沉默,可以说就比百亿句话还要更雄辩的向我证明,魔女是实际存在的。

后来全部的收拾整理都结束了。
……厨房里,曾经有那么奇怪的图腾和魔法阵、这一点,我们不说的话,谁也不会相信吧?

源次先生,再一次对我强调不要和任何人说这件事……。
我用强烈的酒精麻醉自己,强迫自己把把那天晚上发生的事情忘掉。
那以后经历了不短的时间、……我已经把它当作了谁和我开的性质恶劣的玩笑了。
但是、就是现在,我还时不时感到可怕。
早上刚起来,为了准备早饭而进厨房的时候。
……我总是胆战心惊的担心着,调理器具会不会再次被摆成了恶心的样子。

不能去想它。
我想,我一定要忘掉,自己在这里记下了这段经历。

或者应该说,我一点也不想再次遇到那种让人胆寒的事情了。
俊朗,G。(乡田的姓gouda,开头是G)。


[ 此贴被右代宫嘉音在2009-06-18 23:25重新编辑 ]
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活跃日
帅哥离线 令人敬畏的寂静
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1楼
发表于 2009/05/24 | 编辑
感觉是挺老实一人。不相信他参与什么阴谋。被人利用倒是可能。

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活跃日

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2楼
发表于 2009/05/25 | 编辑
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活跃日
喵~离线 Turn of the Witch of Miracles
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3楼
发表于 2009/05/25 | 编辑
六轩岛上的厨师,我认为只是会被普通利用的家具而已

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实习生

4楼
发表于 2009/06/09 | 编辑
6月9日更新至2,还有一小部分没完。下次就结尾了。

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5楼
发表于 2009/06/12 | 编辑
但在游戏里,表现得最平和的医生,因为红字的关系(假如红字能信的话- -),肯定有什么问题……
医生的行为根据红字,和魔女说里的表现非常矛盾……而且第1夜从来没有包括过医生,感觉医生参与第1夜的可能性很大……

只凭tips的内容,是不是可以判断厨师的白呢……
根据tips的内容,可不可以得出,岛内隐藏着某个女性,或是有人有里人格,或者和尾八白大人类似的存在的结论- -

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发表于 2009/06/18 | 编辑
6月18,更新完毕。

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发表于 2009/06/19 | 编辑
早上才在貼吧看完

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