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[转贴]【官方tips】谢谢你,556

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楼主
发表于 2010/10/17 | 编辑

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追加TIPS
2009年8月15日に開催された、コミックマーケット76で配布された小冊子の抜粋です。
改行・誤字・頁など原文なるべくそのままにしました。


07th Expansion Presents
うみねこのなく頃に
2009年8月15日 コミックマーケット76 頒布小冊子

Arigato for 556

 シエスタ姉妹近衛隊は、赤き竜の飛来を記念して結成された、記念近衛隊ということになっている。
 しかし、それはあくまでも、縁起担ぎの後付け由来に過ぎず、その結成と運用は、国防大臣によって入念に計画されてきたものである。


 68年に国防大臣は国内軍事魔法メーカーに、以下の仕様で運用できる新近衛魔法兵士の設計書を提出するように求めた。
 それは3F計画と呼ばれる仕様で、3つのF、即ち、ファーストルック、ファーストシュート、ファーストキルを達成し、さらに、迅速な整備、迅速な運用、迅速な展開な

ど、オーダーする側にとって、あまりに都合の良いことばかりが並べられたものであった。
 この仕様に応えられる新型魔法生命体として、最終的には老舗のRAC社とシエスタ社が名乗りを挙げ、それぞれの設計書を提出した。


 RAC社は伝統のMシリーズを、近衛隊仕様に強力なモデルチェンジを行ない、竜王ペンドラゴンの近衛隊の名に恥じない戦闘力を持たせることに重点を置いた。
 3つのFである、先制発見、先制攻撃、先制撃破を実現するため、単独での絶大な攻撃力に特化し、凄まじい兵器搭載量を実現した。
 これにより、単騎での大火力戦闘に対応でき、少なくともマニュアルスペック上では、兵器史を塗り替えかねない、重火力魔法生命体となるはずだった。
 大臣側は、単騎重火力のフレーズを気に入り、選定終盤間際には、Mシリーズの採用でほぼ内定していたという。


 それに対しシエスタ社は、迅速な整備、迅速な運用、迅速な展開などを重視。RAC社のMシリーズとは真逆に、安価、堅牢、大量生産、高速展開を旨とするシエスタシリ

ーズを提案した。
 3つのFについては、単騎で実現することを初期の段階で放棄。専門能力に特化した個々のシエスタシリーズが連携することで実現するとし、用兵上の問題でカバーできる

とした。
 これはまったくにもって正論なのだが、竜王ペンドラゴンに相応しい近衛兵であるべきとする大臣の意向を*高官たちが汲み取り過ぎ、当初、シエスタシリーズはまった

く評価されていなかった。
 その評価は、天界や魔界などの兵器事情が変化するにつれ、次第に逆転し始める。


 当時、最大の軍事強国として恐れられていた魔界は、物量による飽和攻撃を得意としていた。
 しかし、対等な軍事バランスを求めるもう一方の大国、天界は、71年に戦争史を塗り替える新機軸、霊子戦システムの構築に成功。

 兵員と予算と物量に任せた力押しの攻撃を、完全に封殺することに成功したのである。
 これは即ち、かつての英雄譚で子供たちの憧れとして描かれてきた、単騎重武装のヒーロー像が、もはや太古のおとぎ話の中だけになってしまったことを示す。


 シエスタ社はその流れをいち早く察し、シエスタシリーズに霊子戦に対応できる能力の付加を決定した。
 こうして、シエスタシリーズの最大の特徴である、愛称「うさぎの耳」が誕生したのである。
 武装もRAC社Mシリーズのような旧来仕様のハードポイント装備型でなく、霊子戦を念頭に、異次元ウェポンラックを逸早く開発。
 Mシリーズとは正反対に、搭載量を徹底的に犠牲にしてでも、ステルス性に特化させた。


 シエスタ社ロビイストの活動もあり、国防大臣は同年、3F計画に対し、霊子戦の対応を最大限考慮することと、実質上の方針転換を宣言。
 これにより、それまでまったく見向きもされてこなかった、シエスタシリーズが、一気に脚光を浴びることとなった…。
 こうして、最終的にシエスタ社のシエスタシリーズが勝利し、赤き竜の飛来を記念して結成した記念騎士団の名に、社名を冠する栄誉を与えられたのである。


 このようにして生まれたシエスタ姉妹近衛隊は、従来の、単騎重武装思想を打ち破った初めての近衛隊であり、そのせいもあって、霊子戦の概念を理解できない頭の古い役

人と取り巻きたちによって、竜王陛下に相応しくない、安価、低性能で見た目だけの、儀仗兵、もしくはお人形に過ぎないと扱き下ろされた。


 しかし、専門のみに特化した個々の設計により、スペシャリストを低コストで生み出すことが出来、迅速な運用と展開を実現。
 任務に合わせてそれぞれの能力に特化した兵士を編成することにより、多種多様な任務に対応できることを次第に知らしめた。
 個々の能力は、勇壮で重武装な他の近衛隊の兵士には遠く及ばない。
 しかし、専門性に特化した兵士で編成した彼女らの分隊は、新時代のあらゆる戦闘で戦果を挙げていった。


 シエスタ姉妹近衛隊の姉妹という単語は、まさに彼女らが連帯した戦闘集団であることを雄弁に語っているのである……。

 シエスタ410は、狙撃特化として生み出された。
 彼女には優秀な射撃レーダーが与えられているが、特に、測定結果をアナログ的に読み取る個性的なチューンナップが行なわれていた。
 近代の霊子戦は全て、緻密な測定結果を元に行なわれる。本来ならばそこに、アナログ的な考えが存在する余地はない。
 しかし、戦場はデジタルでなく、常にあなろぐである。常に、0と1以外の、想定しなかった何かが紛れ込む可能性がある。
 シエスタ410は、そのグレーな感覚を感じ取ることに、特に秀でるように設計されていた試作型であった。
 入隊初期の訓練では、狙撃手としては凡才以下で、その独特な性格もあって、かなり低い評価を受けていた。
 無論、戦場においても、友軍からのリンク情報を正確に履行せず独自の考えで解釈し、命令に従わないはぐれ者という評価を与えられていた。
 しかし、測量特化であるシエスタ45とペアになってから、410は見る見ると頭角を現し始める。


 その翌年の傀儡国代理戦争で、野戦スナイパーとして劇的に開花。
 着任からわずか1週間で、三十四式自動化巨人中隊を距離1800メルテから対装甲狙撃弓で、中枢大破2騎、自律歩行不可1騎とする壮絶な戦果を挙げる。
 その後も劇的戦果を挙げ続け、1年後には上級選抜狙撃手に昇進。昇進式典で再会した元教官は、彼女の顔があることに何よりも仰天したと回顧している。


 狙撃手の名誉の象徴と言われる黄*を手にしてからは、さらにその才能を開花。シエスタ姉妹近衛隊の狙撃十傑に数えられる栄誉を、誰よりも早く達成した……。


 ……と書くと。
 45の素晴らしいフォローがあったからこそ、410の稀有な才能が開花したのだろうと、温かく考えてしまうものだ。
 二人のペアに花を持たせようと、そう話したところ、410はけらけらと笑いながら、私にこう言った……。


「45が、必死こいてクソ真面目に測量したデータを、無視してやると、あたふた困り出すのが面白かっただけにぇ♪」
「410はいつもひどいんですっ、私がちゃんと当たるように、がんばって測量してるのに、全然無視したりとかするんです、あんまりですっ…!!」
「45の測量は結構おかしいから、それくらいでちょうどいいにぇ。」
「結構なんてひどいですっ、最近はほとんどないですっ…!! いっぱい怒られたから特に注意してるんですっ!!」

 シエスタ45についても記しておこう。
 45は霊子戦と特に測定に特化して生み出された。
 測定とは鋭利かつ冷酷なものであり、0か1かを正確に見極め、一切のブレなくそれを測定し報告する。
 しかし、45は霊子戦以前のフォーマットで基本設計がなされており、デジタル的な測定に完全に対応できていない。
 元来の気弱で脅迫観念的な性格も相まって、自分の測定結果に自信が持てないという、ある意味、最低最悪な測定員になってしまったのである。
 無論、訓練成績も芳しくなく、同期たちが測定員として近衛隊の守護神となっていく中、せいぜい後方監視しか任されない、お荷物のような扱いを受けていた。
 そんな45だから、狙撃手の曲者扱いだった410のペアに選ばれたのは、ある意味、厄介者同士をくっ付けた、寄せ集めてきな意味が強かった。
 しかし、このペアになってから二人は素晴らしい戦果を生み出すようになるのだから、世の中、何が起こるかわからないものだ。


 私は、なぜこの寄せ集めペアが最高の狙撃コンビになったのか、長いこと悩み、最近、ようやく1つの見解に辿り着いた。
 それは、410主導のペアだからということである。



 410は曲者で命令無視が度々指摘されていたため、彼女を暴走させない、監視を兼ねた高圧的な、あるいは上席の兵士がペアとされることが多かった。
 410も、上官者の命令では、勝手気ままというわけには行かず、不貞腐れながらも命令に従う。そこに自主性はない。
 しかし、45は410を監督できるような性分ではなかった。そのため、410は初めて自主性を得て、才能を発揮できるようになったわけである。
 ……もっともこれを自主性というのは如何なものか。
 私に言わせれば、45が気弱なのをいいことに、410が好き勝手に暴走しているようにしか見えないのだが……。
 だから私は、410のその好き勝手が、狙撃の才能を開花させる鍵になったのだろうと、長いこと考えてきた。
 しかし、どうやら違ったらしい。


 410は、45をからかうのが面白くて、わざと測量データを無視し、トリッキーな射撃を行なっているらしいのだ。
 ……仰天するような射撃を行ない、45を驚かせたり困らせたり。410はそれに悦を得て、ますますにそれをエスカレートさせることで、戦果に結び付けているらしいの

である。

 45は自分が玩具にされていることを、本当は嫌がっている。
 彼女は素直すぎるくらい真っ直ぐな子なので、一方的にからかわれ続けるという関係に、公平性を見出せないのだろう。
 410に内緒で、自分はそのペアに相応しくないと、何度かペア換えを申請している。
 しかし、二人のペアの華々しい戦果を司令部も知っているので、その申請が受理されることはないだろう……。


 本来、狙撃ペアの戦果は、二人で誇るべきものだ。
 しかし、410のトリッキーな狙撃は、明らかにスタンドプレーによる個人技であり、それを芸術と呼ぶ者までいる。
 その為、二人の戦果は、二人のとは解されず、410の個人戦果のようにされてしまっていることがほとんどだ。
 そして、410本人も、その戦果を自分の個人的なものだと吹聴してしまっている……。


 素直すぎる45にとって、それは悲しくないことではない。
 しかし、410の天才的才能の前に、それが口から出ることはなかった。
 ……私は上司として、それを敏感に察し、410に、もう少しパートナーを労わり、感謝するべきではないかと忠告したことがある。


「お前とて、45からリンクがなければ、数々の狙撃は成し得なかったはず。もう少しそのことを、45に感謝してもいいのではないか?」
「にぇにぇ、まぁた00がお説教を言い出したにぇ。」


 410が、小馬鹿にしたような呆れ顔を浮かべる。
 私は、45が色々と悩んでいること、そして、それは410の感謝の言葉で、労うことが出来ると指導した。
 すると、410は少しだけ憤慨しながら、私にこう訴えた。


「00は誤解してるにぇ。……私は確かに戦果を威張るし自慢もするにぇ。でも、それを私一人の戦果だなんて思ったことはないし、いつだって二人の戦果だと思ってるにぇ

。」
「……そうなのか? お前の普段の言動からは、とても二人の戦果だったと思っていたとは思えんのだが……。」
「失礼な話だにぇ。私は45を、これまでで、そしてこれからも最高のパートナーだと思ってるにぇ。45となら、出来ないことは何もないにぇ! 最高のパートナー! い

つまでもずっとペアでいたいと思ってるにぇ…!」
 そう微笑む彼女に私は、45からペア換えを相談されたことがあるのを、打ち明けられるわけもない…。

「……つまり、お前には45に感謝する気持ちはあるのか?」
「あるにぇ。当然だにぇ、パートナーだにぇ。そんなこと、00にくどくど言われる方がムカつくにぇ。」
 むしろ憮然とされる。……憮然としたいのはこっちだ。


 私は、ようやく二人の温度差を理解する。
 410は素直な性格でないから、誇張もするし捻くれた言い方もする。
 だから、傍目には全ての戦果を自分だけの力で得たと自慢しているように見えてしまう。
 しかし彼女は、実際には45とのペアなくして得られなかった戦果だと深く理解している。
 そして、45を最高のパートナーだと認め、これからもずっとずっと一緒にいたいと願っているのだ。


 ……しかし、その気持ちが45に、通じていない。
 45は、自分は無能で、410にからかわれて馬鹿にされているだけだと信じている。
 全ての戦果は410の才能によるもので、自分以外のもっと優れた姉妹とペアを組んだなら、もっと戦果が出せると信じている……。
 だから言ってやった。
 感謝は口にしなければ伝わらないと。


「嫌にぇ。」
「……どうしてっ。」
「感謝してます、ありがとう、なんて。そんな小っ恥ずかしいこと、わざわざ口に出して言うなんて、情けないにぇ。45と私は最高のパートナーだから、今さらそんなこと

を言わなくても、心は充分通じ合ってるにぇ…!」


 心ですでに、言葉に出来ない複雑な形で、それは共有されている。
 だからそれを、口で紡げる程度の言葉で下位翻訳してしまうと、心の中の気持ちが、むしろみすぼらしくなってしまう。
 ……彼女はそのようなことを言って、45に謝意を伝えるべきだという私の提案を、無視した。


 ………隻眼で右方向に死角を持つ、もはや無能な斥候特化の私に、最後に与えられた任務が、……どうやら、この曲者狙撃ペアの管理らしかった。
 410も、私の右が死角であることを知っていて、私の感情的な平手は、ひらりとかわされてしまった……。

 シエスタ556は、最新式武具の試作品として生み出され、運用試験のためにシエスタ姉妹近衛隊に編入された、鳴り物入りだった。
 特化は、分隊火力支援。平たく言えば、重火力担当である。
 この当時は、410は内外でも有名なカリスマ狙撃手だったこともあり、最新武具の556と組ませるのに、戦果スコア上は、ちょうど良かったに違いない。


「分隊火力支援? そりゃまた、ごっついのが来たにぇ。」
「わ、私たちのペアは、遠距離に特化していますが、大量の敵による一斉突撃を近距離で食い止める力には欠けています。……きっと、それを補ってくれる方なんじゃないか

と……。」
「遠距離で、おいしい獲物だけもらって、あとは神出鬼没に蒸発ってのが、うちらの十八番にぇ。……分隊火力支援なんて、ノロマ、必要ないにぇ♪」


 410は、自分の狙撃の足手まといになるから、邪魔そうな新参者はいらないと言う。
 45にとってそれは、きっと自分も足手まといに含まれるのだろうと、また心の傷を増やすことになっている。
 ……しかし410にとっては、45との完成されたペアである自分たちに、見知らぬ部外者が入ってきてほしくないという、純朴な気持ちがあるだけなのだ。
 私は両者の胸中を知っているから、困ったものだと、古傷が痛み耳をさするのだった。


「聞こえるか、556。準備はいいか。」
「はい、556、準備よしです。ありがとうございます。」


 556が、野外射撃場に立つ。
 最新式武具の火力の、お披露目だった。
 556は、ぱっと見る限り、45とかなり近そうな波長を感じた。
 物腰は大人しく丁寧で、……ひょっとすると、410との相性は、45同様、かなり悪いかもしれない。


「目標、青の標的群。45、測定開始」
「りょ、了解っ。地形測定開始、誤差修正。556にデータリンク。」
「……にぇ。どの程度のもんか、お手並み拝見にぇ。」
「45よりデータリンク。目標補足。感謝します。攻撃開始。」


 556が無骨なる大型の鉛の弓を引く。
 ……410たちの使う黄*のような優雅さは欠片もない。

 しかし、優雅さと火力に因果関係はない。
 556のおっとりとした雰囲気とは到底相容れると思えない、鉛の弓が吐き出す、うねる鉛の大蛇は、一列に立てられた十数個の標的を、まさに鉛の大蛇が、その下でベロ

リと舐め取るように、真横へなぎ倒し、粉々に粉砕していく。
 1本の黄金の矢で相手の弱点を美しく射抜く狙撃とはまったく異なる。
 何十、何百という鉛の矢のうねりで、相手を飲み込んで圧倒するという、まったく異なる、恐ろしい攻撃だった。
 私たちは新型武具の容赦ない攻撃力に、しばしの間、呆然とせざるを得なかった。
 ……そしてすぐに直感する。
 この圧倒的な火力は確実に、……410のライバル心に火を付けるだろう。
 間違いなく。そしてさらに確実に、私の頭痛の種を増やすだろう……。
 ……だろう、ではないな。……あぁ、もう410が絡んでるぞ。頭が痛い……。


「……なかなかやるにぇ。」
「ありがとう。45のデータリンクのお陰です。」
「い、いえ……。あのくらいの距離でしたら…、556の射撃レーダーでも充分に補足できますし……。」
「でも、45のデータのお陰で射撃を成功できました。ありがとう。」
「……ど、……どうも。」


 556は、物腰のやさしい、おっとりとした喋り方をする子だった。
 そして、もう一つの特徴として、会話の語尾に、やたらと感謝を意味する、“ありがとう”を入れたがった。
 何かを応える度に、その語尾にはありがとうが付くのだ。


「でも、……美しくないにぇ。ほんの15個の的を打ち抜くだけで、あんなにバリバリと鉛の矢を撃ちまくって。真ん中に小さく穴を開ければいいものを、的ごと粉々にしち

ゃって。」
「……こら、410…! 戦争に美しいも美しくないもないぞ。556の射撃に難癖をつけるな! 556も気にするな。410は少しひねくれたところがあって……、」
「いえ、そんなことはありません、00。ありがとう。……そして410もありがとう。そうですね、美しくないし、いくら戦争でも、ああいう戦い方はよくないと思います

。それを教えてくれて、ありがとう。」
 明らかに難癖とわかる410のそれにも、556は、ありがとうと言いながら、静かに微笑んだ。

「410や45ほどの腕があるなら、正確に狙ったところを射抜くことで、不必要な痛みも、無駄な犠牲も一切出さずに、最小限の痛みだけで任務を達成できると思います。

……でも、私のような乱暴な射撃では、相手を無慈悲に打ち砕くだけ。……戦場であっても、無慈悲であることは許されないと思います。それを教えてくれて、ありがとう。


「……………………にぇ…。」


 喧嘩を吹っかける気満々だったのに、こんな風に言われて感謝されるなんて、410も想像しなかったに違いない。
 その後も、何とか自分のペースを掴もうと、色々と絡んでは、45があたふたしながらフォローする。そしてそれらに涼しげな笑顔で微笑み返しては、必ず、ありがとうと

感謝の言葉を付けて返事をする。
 そのやり取りが延々と続き、最後には410は、「こいつのあだ名は、ありがとうウサギにするにぇ。」と言わしめ、とうとう、退散させてしまうのだった。
 45には、それが、相当機嫌を悪くしたように見えたのだろう。
 不貞腐れて去っていく410の後を、45が追っていく。


「……ありがとうウサギとは、ひどいあだ名だな。」
「いいえ。チームメイトに、初日にあだ名を貰えるなんて思いませんでしたから嬉しいです。ありがとうございます。」
「……どうして、そんなにもありがとうと? 何か意味があるのなら教えて欲しい。」


 410のような曲者は、その曲者ぶりを示すため、無意識のうちにそのサインを会話に込めてしまう。
 ……例えば、彼女の、“にぇ”という語尾などがそうだ。
 しかし556は曲者には見えず、ありがとうという言葉に固執するような、ひねくれたところは見つけられなかったから、それに私は興味を持ったのだ。
 ………すると556は、初めてありがとうを付けずに、私にこう言った。


「私は、強いです。シエスタ本社試験チームでも抜群の成績でした。……ですが、自惚れたことはありません。私が最高の成績を出せるのは、そのために側面を支援してくれ

たチームメイトがあってこそです。……だから私は、常に自分の成績は、それを支えてくれた近しい仲間たちのお陰だと感謝しています。」
「………爪の垢を煎じて、410に飲ませたい気持ちだ。」
「でも、私はその感謝を、相手に伝わるようにしていたのか、疑問に思ったことがあります。」
「…………疑問?」

「はい、私は、みんなに感謝しています。……でもそれを、誰にも伝えず、わかってもらえず、二度と会えない関係になってしまったら。その相手は、私に感謝されたことは

なかったと生涯思ってしまうでしょう。私が本当は感謝しているとしても。」
「………………。」
「私たちはシエスタ姉妹近衛隊の兵士です。……いえ、命ある限り誰であっても。ある日、突然、人は二度と会話が出来なくなる関係になります。突然訪れたその日に、慌て

てそれまでの感謝を伝えようと思っても、もう、それを伝えることはできない。………その時、相手は私のことをどう思うのでしょうね。……私はそれを思うと、……悲しい

のです。」


 大勢の数え切れないほどの人たちに、常に感謝しているつもりでした。
 でも、それを誰にも伝えませんでした。
 だから彼らは、私が感謝していないと思ったとしても、罪はないのです。


「そして、その誤解を解く機会が、ある日突然、永遠に失われたとしたら。………その人に私は、感謝されたことがない冷たい女の子だと、永遠に思われ続けるでしょう。そ

して私も、どうしてその時が訪れるまで、それを一度も伝えることが出来なかったのかと、永遠に後悔するでしょう。……きっといつか想いが伝わる? 言葉で伝えるのは野

暮? 互いは通じ合ってるから、今さら言葉なんて必要ない……? 私、そういうのが嫌いになったんです。だから。………私は全ての人との出会いに、常に次の機会が唐突

に失われるかもしれないことを、常に怯えています。……こうして00と話している今日でさえ、最後の日かもしれない。明日のあなたに、私は出会える幸運を賜れないかも

しれない。……だから私は二度と。…………相手に感謝を伝える機会を逃したくなくて、常にありがとうと、……相手に言い添えるのです。……だから、こんな話を聞いてく

れて、ありがとう。」


 それは確かに、……悲しい話だった。
 もしもある日、突然、45が姿を消してしまったら。……410は、45に感謝の気持ちを伝えることが出来なかったと、永遠に後悔するかもしれない。
 ……そして45も、410にはただの一言も感謝されたことがないと、永遠に悲しみに包まれるかもしれない。410は、本当はあんなにも素直に、45のことを感謝して

いるにもかかわらず。


「だから。私はあなたにも、ありがとうを。」
「…………不要だな、私には。」
「……え?」

「私は分隊のリーダーとして、誰も脱落させない。そのような無様を許さない。それは貴様とてだ。感謝の言葉を濫りに使い、いつでも我が分隊を抜け出せるように心の準備

をするなど、不届き千万っ。その腑抜けた根性、この私がみっちりと叩き直してやるッ。ようこそ、我が分隊へ…!! 貴様を歓迎する!」
「ありがとうございます、00。シエスタ556、着任します。」


 この日から、マリア卿の護衛は、四人組でとなったのだった………。


 あなたは、ありがとうって、……伝えられるうちに、ちゃんと伝えてますか
…?






Arigato for 556
 <おしまい>


[ 此贴被olkandzdf在2010-10-17 09:05重新编辑 ]
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1楼
发表于 2010/10/17 | 编辑
1楼为翻译,翻译者为嘉音君,还差一点点填坑完毕.....

http://tieba.baidu.com/f?kz=855926723


----------我是分割线-----------


这篇tips放了很久了,但是一直没有时间翻。趁着应援字幕娘的热情,我就一鼓作气把它翻了吧。
不过这个也是需要抽空完成的(虽然很想做家里蹲,但现在已经在工作啦>_<)。所以,今天也只能是开坑,可能需要几天才能完成。
确保更新的时间是早上、中午、晚上,以及平时偶尔会抽空更新。

翻译姬满塞
字幕娘满塞
请支持字幕娘,那也同时是在支持我们所有的人肉翻译姬
————————
以下开始。这是C76的小册子,讲述的是谢斯塔纪念兵的过去。


谢斯塔姐妹近卫队,是为了纪念赤龙飞来而结成的、纪念近卫队。

不过,那也只不过就是为了成立这个队伍的借口,其结成及应用,实际上是国防大臣周到细致的暗中计划。

68年、国防大臣对国内军事魔法制造商提出了,能够根据以下规格运用在战场上的新近卫魔法士兵的设计案。

那个规格被称为3F计划。3个F,即达成fast look、fast shoot、fast kill、更进一步的说,还要实现迅速整备、迅速运用、迅速展开等等;对于指挥的长官来说,这样就会非常方便。

作为对应这种规格的新型魔法生命体的招标,最终由老牌企业RAC社以及谢斯塔社进行竞标、提出了各自的设计书。

RAC社按照近卫队规格、对传统的M系列进行了强力改造、其重点在于使得使之拥有不使龙王近卫队之名蒙羞的战斗力。

为了实现3F的抢先发现、抢先攻击、抢先击破;特化了其单体的绝大攻击力,实现了可怕的兵器搭载量。

因此,其单体能够对应大火力战斗,至少从预览规格来看,可以说会成为兵器史上无法取代的、超重火力魔法生命体。

大臣那边也是非常看重单骑的超重活力,在竞标终盘阶段,几乎可以说内定采用M系列。

而对此、谢斯塔社则重视迅速整备、迅速运用、迅速展开。与RAC社的M系列正好相反,提出了以造价低廉、结实、批量化生产、高速展开为宗旨的谢斯塔系列。

最初的阶段,他们就放弃了通过单体来实现3F原则。他们决定开发在专门能力上特化的不同谢斯塔系列的个体、让她们进行合作来实现3F,这样就能填补用兵上的问题。

这当然是非常正确的理论,但是大臣想要制造出与龙王潘多拉贡相应的近卫兵,*高官们也深受其影响,刚开始的时候,谢斯塔系列甚至就根本没得到任何好评。

对谢斯塔系列的评价,随着天界与魔界等的兵器情况的变化,渐渐的发生了逆转。

当时、被认为是最大的军事强国的魔界、十分擅长大量饱和攻击。

然而、寻求与其对等的军事平衡的另一个大国、天界、在71年构筑成功了可以改变战争史的新系统、灵子战系统。



灵子战系统,完全成功的封锁了对于依靠着兵员、预算的重火力攻击。

这也就是说,在过去的英雄传说当中,被孩子们憧憬着的、以单骑重装冲入敌阵无所不能的英雄形象,已经永远画上了句点,变成了仅仅在太古的老故事里存在的历史。

谢斯塔社最早察觉到了这个趋势,决定在谢斯塔系列中附加对应灵子战的能力。

这样、作为谢斯塔社最大的特征的、爱称『兔耳』的东西就诞生了。

谢斯塔系列的武器装备,也并非RAC社的M系列那样,旧规格的hardpoint型装备,而是迅速开发出的适应灵子战的异次元武器架。

与M系列完全相反,谢斯塔系列彻底牺牲了搭载量,特化了隐身性。

在谢斯塔社的推销员们的活跃下,同年,国防大臣发表了、对于3F计划、要最大限度的考虑灵子战对策的方针。这也就是在实际上宣言了方针的转换。

于是,到这时为止都完全不被看好的谢斯塔系列,终于一下子见到了光明的曙光。

这样、最终谢斯塔社的谢斯塔系列获得了胜利;纪念赤龙飞来的纪念骑士团之名,即以谢斯塔社的社名冠名,使谢斯塔社获得了无上的荣誉。

像这样诞生的谢斯塔姐妹近卫队,成为了初次打破了向来的单骑重武装思想的近卫队。但同时也因此、被那些无法理解灵子战概念的食古不化之人,认为是无法与龙王陛下相配、廉价、低性能的仪仗兵、或者说不过是些人偶。

不过,通过专门特化的各种设计、只需少量专业人士即可进行制造、因此实现了迅速的运用和展开。



通过了编成那些专为任务而特化了各种各样能力的士兵、而能对应多种多样的任务。谢斯塔近卫兵渐渐因此而为人所知。

她们单体的能力、比起勇壮的、重武装的其他近卫队是远远不及。

然而,由特化了特殊能力的士兵们组成的她们的分队,却开始在新时代的所有战斗当中夺取无数战果。

谢斯塔姐妹近卫队当中“姐妹”这个单词,可以说正雄辩的叙说着她们是何等团结的战斗集团。

谢斯塔410、是作为狙击特化兵器而开发出来的。

她被赋予了优秀的射击雷达,但还特别实行了对测定结果进行模拟读取的个性化改造。

近代的灵子战、本来就全部需要,极其精密的测定结果。既然是这样,那就根本没必要再考虑进行模拟计算。

但是、战场并不是数字化的,常常是连续变化的。经常会有那种、非0非1的,让人意想不到的情况出现。

谢斯塔410,就是为了对这种非黑非白的灰色地带有所感应,而特别制作出的优秀的试验型号。

在入队初期的训练中,因为她作为狙击手的才能很平庸,而且性格又特立独行,所以得到的评价很低。

就算是在战场,也无视友军的link信息,相反却进行私自决断,完全不服从命令的顽固派。这当然就是她所得到的评价。

不过,自从与测量特化的谢斯塔45组成一组之后,410渐渐开始崭露头角。

在第二年的傀儡国代理战争中,410作为野战狙击手大放光彩。

上任后仅仅一周内,在对34式自动化巨人中队的战斗中,使用对装甲狙击弓、在距离1800米远彻底破坏2架机体中枢、使1架机体无法自律行走。她就达成了这样壮绝的战果。

此后她继续立下赫赫战功,1年后升职为上级选拔狙击手。在升职大典上见到她的前教官,见到她脸上那凛凛之色不由得仰天长叹。


自从获得了狙击手名誉之证黄*之后,410进一步展现出自己的才能。她甚至比任何人都更快获得谢斯塔姐妹近卫队狙击十杰的称号。

……是这样记载的。

仔细想来,正是因为有了45的出色的支援、410那稀有的才能才得以崭露头角吧。

想要为两人组合献花的时候,我这样说来以后,410嘿嘿的笑了起来,对我这样说道。

『只不过、把45拼命测量出来的数据无视掉的话,她那种手足无措非常困扰的表情实在是有趣极了。泥嘻♪』

『410总是很过分啊!我为了保证命中而努力测量出的数据、完全就无视掉了、太过分了啦!』

『45的测量结果相当的诡异,我那样做刚好合适。泥嘻。』

『相当什么的太过分了呀!最近都没有错的说……!因为总被你发火,所以特别注意了的说!』


有关谢斯塔45再稍微说一下吧。

45是专门为了灵子战而进行了测定特化的。

对于测定,锐利而冷酷、是0或是1都能正确的看清、完全没有任何偏差的进行测定而报告。

但是、因为45是根据灵子战之前的规格来进行基本设计的、并没有进行完全的数字化对应。

原本她很弱气也有强迫观念,对于自己的测定结果没有自信,从某种意义上讲,可以说变成了最差最糟糕的测定员。

当然、训练成绩也让人看不过去,在同期生们都作为测定员成为近卫队守护神的时候,她最多也就能进行后方监视,被当作没用的包袱对待。

正因为是那样的45,所以被与狙击手当中的无赖410选为同一组,某种意义上讲,也就是从物以类聚,累赘都放一堆这样考虑的。

不过,成为一组组合以后,两人创造出辉煌战果,这就是所谓的世所难料吧。


为什么这样乱搭的组合反而会成为最强的狙击组合呢、我长年为此而不解,最近,终于得出了结论。

原因就是,那是由410主导的组合吧。

410是个痞子,因为不服从命令而多次被批评,为了让她不暴走,起到监视和高压的作用,一般都是让上级的士兵和她组队。

由于是上级的命令,410也不得不放弃任性行动,就算是不怎样的命令也得服从。那样就没有自主性了。

不过,45并没有能够监督410的魄力。因此,410初次获得了自主性,能够开始发挥自己的才能。

……话虽如此,这个自主性到底有什么用呢?

要让我来说的话、仅仅只能看到、对于45的弱气、410完全随性的暴走而已……

因此、我长年在考虑着,410的那种随性,是不是真的就是让狙击才能绽放的关键。

但似乎并非如此呢。

410因为逗45玩十分有趣、所以特意无视测量数据、进行诡异无比的射击。

……进行那么诡异的射击、让45吃惊、困惑。410从中得到乐趣,因而这样的行为也进一步升级;而且还因此不断的获取战果。

45对于自己被当作玩具的事情,真的是非常讨厌。

她是非常老实非常单纯的孩子,所以对这种单方面的被逗着玩的关系,觉得一点都不公平。

于是她瞒着410,一次又一次的向上面提交申请说自己与这个组合不配,想要换组。

然而、司令部当然也知道两人组合的华丽的战果,自然也就不会受理这样的申请了。

本来,狙击组合的战果,应该是值得两人骄傲的成果。

但是,410的那种奇诡的狙击,明显的像是在夸示个人战技一般,甚至有人称之为艺术。

因此,两人的战果,不被认为是两个人的成果,而是被大多数人认为是410个人的战果。
而410本人也吹嘘说这些战果全是她自己拼搏得来的。

对于老实的45来说,这绝不会是不值得悲哀的事情。

然而,在410天才般的才能面前,这也没能说出口。
……我作为上司,敏感的察觉到了这一切,并且也曾对410说,让她再多慰劳,感谢一下45。

『对你来说,如果没有45的link,也不可能狙击成功这么多次。稍微为此而感谢一下45不行嘛?』
『嘻嘻,又~被00说教了泥。』

410脸上,浮现出了小傻瓜一样的蠢表情。
我告诉了她45所烦恼的事情,并指导她说,只需要她去感谢一下45,就可以安抚45的情绪。
于是、410显得有些愤慨的,这样对我诉说道。


[ 此贴被olkandzdf在2010-10-17 09:56重新编辑 ]

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