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[转贴]【情報】追加TIPS「勤勞感謝日的禮物」

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楼主
发表于 2010/10/17 | 编辑

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追加TIPS

2009年11月22日に開催された、『うみねこのなく頃に』オンリーイベント「GATE:stalemate」で配布された小冊子の全文です。
改行・誤字・頁など原文なるべくそのままにしました。

 今日、11月23日は勤労感謝の日。
 日本では、勤労を尊ぶ休日になっているが、子供たちにとっては特に、家族のために働いてくれる親に感謝する日という感じになっている。
 幼稚園や小学校で、両親に感謝するために、工作の時間に色々なものを作った記憶がおありの方々も多いはず…。

「うー! 真里亞ね、学校で勤労感謝の日のプレゼント作ったの! ほらー、これなのっ、うー!」
「おー、素敵な封筒じゃねぇか! “勤労感謝の日のプレゼント”、か。直球なのがいいなぁ!」
「綺麗に飾りつけが出来てるね。折り紙で作ったの? 貼り付けてあるお花がとても上手だね。」
「何て言うのか、真心が伝わるぜ。で、中身は何なんだい?」
「うー! えっとね、ほらっ。肩叩き定期券~! 一ヶ月有効なの。いつでもママがして欲しい時に、真里亞が肩をトントンしてあげるの!」

 有効期限は一ヶ月。一日一回、30分。

 ただし時間は、夜の9時まで。だから早く帰って来てねという、真里亞のメッセージも込められている。
 封筒も定期券も非常に丁寧に、そして楽しそうに装飾されていて、なかなかの力作だった。
 戦人、譲治、朱志香たちは、その真心に感動を覚えずにはいられなかった…。

 ここは都内某所の喫茶店。
 たまにはいとこ同士で集まってお茶でも、という譲治の提案で集まったものだ。
 さっきまで楼座が一緒だったが、彼女も仕事の相手と挨拶の約束があるとかで、真里亞を預け退席していた。
 なので、こっそり。真里亞は、今日、楼座にプレゼントする予定のものをみんなに見せてくれたのだ。

「今日、お夕飯を食べたらプレゼントするの。うー!」
「そりゃあ、喜ぶぜ…。……そういう気持ち、忘れて久しいなぁ。」
 朱志香は、気恥ずかしそうに頭を掻きながら目を逸らす。……真里亞の素直さが、ちょっと眩しいのだ。
 それは戦人も同じだった。真里亞の無垢な笑顔に、気まずそうに笑ってしまう。

 ……誰だって親には感謝してる。しかし、反抗期に一度うやむやになって。
 ……その後、そういう気持ちを持つのが、まるで恥ずかしいことのような気がして、そのままになってしまう。
「……私も、……何かお土産、買って帰ろうかな…。」
「譲治の兄貴もさっきから荷物を持ってるけど、ひょっとして親へのプレゼントだったり…?」
「うん。父さんには新しい財布をね。……縁起担ぎなのか、随分古いのを使い続けてるんだけど。最近は小銭入れが破けて、硬貨がよく落ちるみたいだから。そろそろ新しいのがあってもいいと思って。……あと、うちでは勤労感謝の日には、母さんにもプレゼントを贈るんだよ。今日、僕が行き掛けに受け取ってきたこれが、母さんへのプレゼントさ。」
「へぇ。そいつは何だい?」
「包丁だよ。母さんは、包丁にはこだわりのある人だからね。ブランド物でね。きっと気に入ってくれると思う。」

 絵羽は、親族会議の席でこそ、かなりやり手のうるさ型にも見える。
 しかし家庭では、料理とガーデニングを得意とする、良き母なのだ。
 特に創作料理にはこだわりがあり、時に、ご近所の主婦を招いてのホームパーティで、自慢の新作を披露して喝采を受けたりもする。
 そんな“台所の魔女”には、きっとぴったりの贈り物だろう。

「包丁ねぇ。プレゼントってくらいだから、上等そうだぜ。いくら位するんだ?」
「プ、プレゼントは値段じゃないよ。……これは20万ちょっとくらいのかな。」
「「に、にじゅうまんえん?!?!」」
「うー、それって高い?」

 譲治は、社会勉強の一環として秀吉の会社で見習いをしている。お金の使い方も勉強するということで、給料と呼んでもおかしくないお金をもらっていた。
 もちろん彼はそれをきっちり貯金していて、使うべき時には、それを惜しまず使うように教えられているのだ。これはまさに、その勉強の成果を両親に教えるものだった。
「ご、誤解しないでほしいのは、値段じゃないってことだよ。僕のプレゼントにも真里亞ちゃんのプレゼントにも、どちらにも勝るとも劣らないものが宿ってると思うよ。大切なのは気持ちなんだからね。」
「うー! 気持ちが大事―!」
「二人とも、お父さんに感謝する機会ってある? 案外、ないものだよ。勤労感謝の日って、僕は素敵なイベントだと思うけれどね。」

 戦人と朱志香は顔を見合わせる。
 戦人も、留弗夫とは色々あって、未だにぎくしゃくとした関係だが、……一応は、親としての敬意を感じてもいる。ただしそれは、口に出してまで伝えるものとは思っていない。
 朱志香も同じ。両親には一定の感謝をしながらも、それは口に出してまでするものだとは思っていない。
 そんな二人にとって、譲治の言葉は、少し沁みるものがあった…。

「プレゼントはね、誰でも使える、とっても簡単な魔法なの。」
「魔法?」
「うん。感謝の気持ちは、してる本人にはよく見えるのに、相手にはちっとも見えない、悲しいもの。それをね? 目に見える形に出来て、伝えることが出来る、とっても簡単で、そしてとっても素敵な魔法なの。」
「そうだね。贈る物の値段は関係ないんだよ。相手を思って、何を贈ったら喜ぶか考え、自分の足でそれを探し、包んで持ち帰り、感謝の言葉と共に手渡す、その過程。それがプレゼントという形になって結実して、相手に伝わる。……魔法と呼んでもいいものだと思うよ。」
「本当に魔法なんだよ…! この魔法を使うとね? ママが必ず元気になって、にこにこになるの! そして会社の仕事も早く終わるようになって、毎日お家に帰ってきて、一緒にお夕飯を食べてくれるようになるの! 本当なんだよ?! すごい効き目なの! うー!」
「確かにな。こんな真心のこもった、肩叩き券を贈られちまったら、……ジーンと来ちまうなぁ。」
「……よしッ。私も父さんのために何か買うぜ! 高感度アップを狙ってうまくいったら、……エヘヘ、ギター買ってもいい?って切り出せるかも。」
「下心ありありだな。まぁでも、それでも何も贈らないよりははるかにいいぜ。」
「そうだね。しない善より、する偽善だよ。ゴマ擦りだと思われてもいい。いや、そのつもりでもいいから、たまには何かご恩返しをしてみたら? ……きっと、何かが素敵になるきっかけになると思うよ。」
「家族が幸せになる魔法なの。うー!」
「何だったら、これからデパートにでも行ってみるかい?」

 譲治がそう切り出すと、戦人と朱志香は顔を見合わせる。
 ……うん。たまにはそういうのもいいかもしれない。二人は笑顔で力強く頷くのだった。
 駅ビルには様々なお店が入っていた。
 お財布さえ許せば、どんな物でも手に入りそうだ。
「戦人は、留弗夫伯父さんに何を買うの?」

「……親父にねぇ。……無難にネクタイ辺りを、…とでも言いたいところだが…。親父のヤツ、ネクタイの好みにうるさくてなぁ。よくもらいもんのネクタイにガラが悪いとかダサイとか、ずいぶんグチを言ってるんだよなぁ。」
「ネクタイは好みがあるからねぇ。でも、プレゼントなら、どんな物でも嬉しいものだよ。」
「ファッション系より、日用品系がいいかなぁ。日用品なら、とりあえず使えれば文句は言わないだろうし。」
「あー、わかるわかる。私も、父さんのセンスはよくわからないから、実用性のあるものを探したいぜ。」
「うー。大切なのは気持ちー。センスはいいのー。」
 いやいや、まったく真里亞の言う通り。
 戦人と朱志香は、頭を掻きながら、各フロアの色々なお店を見て回るのだった。

「……私、この辺が気にいったかもしれないぜ。」
「おぉ、どてらとはまた渋い。でも、蔵臼伯父さんに似合うかー?」
「うちは母さんが厳しいからさ。自室以外は、たとえ屋敷の中でも公共の場と同じ身なりをって厳しいんだよ。……でもさ、それじゃー、肩が凝るってもんだぜ。父さんも時々、こっそりグチってるよ。母さんが来ると、すぐに黙っちゃうけど。」
「はははははは、蔵臼伯父さんも可愛い人だね。」
「うー! どてらはいいよ! ママも冬は、どてらにジャージで、おこたに入ってミカン食べながら紅白見るー。うー!」 
「あ、あのお洒落な楼座叔母さんが…? そ、それは衝撃的な光景だな……。」
「僕はどてら、素敵だと思うよ。家では、のんびりリラックスしてほしいという気持ちは、家族にしか伝えられないからね。」
「確かにな。こういうのは、身内からもらってこそだぜ。」
「蔵臼伯父さんには、どんなのが似合うかなぁ。うーうー! 真里亞はこのピンクのカバさんのがいいー!」
「さ、さすがにそれは父さんは着れねぇぜ…。……父さんが着ても恥ずかしくない、もうちょっと貫禄のあるヤツはないかな。」
「……蔵臼伯父さんだと、どてらってよりは、ナイトガウンって感じだけどなー。」
「いやいや。肩肘を張らない家庭的なものが、かえって喜ばれるものだよ。それに、朱志香ちゃんが自分で決めたというのに意味がある。僕は素敵なチョイスだと思うよ。」
「それもそうだな。……朱志香だったら、ガウンよりどてらってイメージだぜ。」

「なッ、何だよそれ! どういう意味だよ、うぜーぜ! それより戦人は何にすんだよ…!」
「俺はもう決まってるぜ。ま、無難にな。」

 戦人はもう目当ての物を決めていた。
 朱志香のどてらを買い、次はその売り場に向かう。
「うわー。こういうとこには私、縁がねーぜ…。」
「戦人、何買うの? 電動髭剃りー?」
「親父、あー見えてヒゲが濃いからなー。油断してると、祖父さまみたいに、もみあげが顎ヒゲと繋がっちまうってぼやいてるぜ。」
「あっははははは。なるほどね。これなら、贈られて困ることはないだろうね。」
「しかし、家電製品なみに色々あるぜ…。女の私にゃ、どれがどう高性能なのかさっぱりだぜ。」
「まぁ、値段に比例して性能が高いと思って間違いないだろうね。女性の化粧品も同じでしょ?」
「んなこたねーぜ。値段だけじゃなく、メーカーや相性もあるし。……安いのが肌に合わないと、お肌も財布もキツいわけだぜ。」
「クソ親父のヒゲなぞ、芝刈り機でちょうどいいだろと思いたいとこだが、まぁ、今日は特別だ。たまには勤労を感謝して、いっちょ、まともなものを買ってやるぜ。」

 戦人も色々と悩んだ結果、少し古い型の、展示品在庫限りを見つけ、比較的安く購入することに成功する。
 これで、戦人も朱志香も、無事にお父さんへの日頃の感謝のプレゼントを手に入れることが出来た。
 二人はくすぐったそうに照れあうが、たまにはこういう買い物もいいかなと、微笑んでいた……。

     ・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

「お師匠様よー。その話、まさかそれで、それぞれが親に渡して、ニコニコ笑顔でめでたしめでたしで終わるんじゃねぇよなー?」
「そ、そうですが、何か不満でも…? 子供たちが日頃の父親の勤労に感謝する、素晴らしいお話ではありませんか……。」
「うー。ベアト、真里亞は面白いよ?」
「ダメダメ! こんなのつまんねぇってー。なぁ、ロノウェ、ひねりがねぇよなァ?」
「ぷっくっく…! まぁ、マリアさまはともかく、ひねくれたお嬢様は、ひねくれたオチをお望みでございましょうから。」

「こ、こら…! 人がマリア卿のために、真面目な、ためになるお話を聞かせているというのにっ。」

 ワルギリアは、良い話を聞かせているはずだった。
 しかし、これ以上、何のオチもないことを悟ったベアトが、退屈そうにゴネ出す。
 ロノウェはそれをとっくに予見していたらしく、手元の懐中時計を確認しながら、くすくすと笑っていた。

 ……ちなみに、ロノウェが心の中で賭けていた時間より、約1分、ベアトが退屈し出すのが早かった。

「だいたい、それでオチが、みんなニコニコして楽しく過ごしましたとさ、めでたしめでたしでは、あまりにひねりがない。面白くない!(キリ!)妾のゲームを見てきて目の肥えた観劇の魔女諸賢は、ここで妾が登場して、ひと混ぜしてくれることを期待しているわ。なぁ、マリア? なぁ、ロノウェ?」
「さぁて、いかがでございましょう。お嬢様が多分、お心の望むままにされるのが、一番良い結果になりましょうから。」
「うー!! 真里亞、ベアトのお話も聞きたい! 聞かせて聞かせて!」
「くっくくくく! そういうわけだ、お師匠様! 少し妾が話をいじくってやろう。」
「ダ、ダメですよ…!! これは勤労感謝の日に、親に感謝する気持ちを描いた、綺麗なお話なんです…! 変な茶化しはしちゃダメです…!」
「まぁまぁ、そう堅いこと言わずにさァ。妾がちょっぴりひねるだけだからァ。」
「も、……もう、仕方がありませんね。…少しだけですよ? ただし、オチは必ず、良いものにするんですよ? 無事にプレゼントを手渡して、幸せになれましたと、そういうオチにしないと怒りますからね?!」
「ふっふっふっふっふ!! お師匠様の許可が出たぞぅ! それでは弄るぞ、この物語、このゲーム盤! なぁに、大きく掻き乱しはせぬ。ほんのちょっぴり、微笑ましい変化を加えるだけよ。」
「微笑ましい変化…? ……何ですか。プレゼントを、何かおかしな、グロテスクなものや、そ、その、教育に悪いものに入れ替えてしまおうとでも言うのでしょうっ。」
「うー? 教育に悪いものって、何?」
「何だろうなぁ~お師匠さまァああぁああぁ???」
「そ、そのッ、……こ、子供にはちょっと早い、夜のお道具とかです…!! この小冊子は全年齢なんですよ?! あなたの考えそうなことはすでにお見通しです!」

「くっひっひっひぃいい~、夜のお道具ってナァニかなぁ~?! ノンノン、安心せよお師匠様ァ。妾はこう見えてももう、下品は卒業したのだ。そのような無粋はせぬって…!」
「で、では、何の悪戯をするつもりですかっ。」
「取るに足らぬイタズラよ。4人の準備したプレゼントが、ちょっとした気まぐれ事故で、入れ替わってしまうだけだ。これなら問題ないであろう?」
「た、……確かに、それくらいなら、微笑ましいで済みますね…。」
「うー。面白い話になる?」
「なるとも。続きは妾が話すぞ。聞くがよいマリア!」

 4人のプレゼントに不審な点はない。
 間違った人間に届けば、少々の混乱はあるだろうが、それはそれで微笑ましい、休日のちょっとしたハプニングで済むはずだ…。
 ワルギリアは、それ以上のイタズラは本当にしないんでしょうねと重ねて念を押し、それにベアトが頷き返したので、物語のゲーム盤を譲ることにした……。
 真里亞は、わくわくしながら、続きをせがむ。
「それでは、黄金の魔女、ベアトリーチェによる、勤労感謝の日の物語。後編スタートぉ!」

     ・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

「母さんにはこれを。いつも家族のためにありがとう。」
「ありがとう。今年は何かしら。あなたは何だったの?」
「わしは財布だった! おおきになぁ!」
「あら、カッコイイじゃない。素敵なお財布ね。譲治が選んだの?」
「うん。父さんは若々しいから、少し若者向けでもいいかと思って。今、流行のマジックテープ式さ。」
「わっはっは! こら、わしも財布に負けんようにせんとなぁ! 絵羽は何だったんや。」
「これから開けるわ。何かしら、楽しみだわ。」
「台所で開けてみて。きっと料理の役に立つから。」
「えー? くすくす、何かしら。もう雑炊が煮えたかしら。じゃあ、台所でこっそり開けてみるわね。」

 今日の絵羽の一家は、家族で仲良くお鍋。そしておいしく食べた後は、卵とご飯を落として、雑炊だった。
 絵羽は自分のプレゼントを持って、台所へ行く。
 そしてほくほくしながら、丁寧に包み紙を開けた……。

 そこで、メタ空間背景が重なり、ぽわ~んとベアトが登場。

「申し訳ないなァ、絵羽ァ~! 本当はそこから、高級包丁がでてくるはずなのだが。そのままでは、あ~ん、ありがと~、この包丁でこれからもお料理を頑張っちゃうわね~☆、としかならんのでな。お前には、朱志香からの贈り物をプレゼントだ!」

 バリーン! メタ空間終了。

「あら……。……へぇ……。いいじゃない。」
 中から出てきたのは、……朱志香が蔵臼のために選んだ、どてら。
 色は落ち着いていて、安っぽそうではあるが、家で着る分には充分なセンスだ。
 ……その小さいプレゼントボックスから、どうやってこんなかさばる物がでてきたやら。…その辺は、不思議魔法でうやむやにされている。
「これからの季節にはぴったりじゃない。……あらやだ、ミトンと色がお揃い。くす、譲治ったら、あの人に似てセンスがいいんだから♪」

 というわけで。
 絵羽は偶然にもミトンと同じ色だった、どてらを着て、雑炊の煮えたお鍋と一緒に戻ってきた。
「おおーー!! 似合おうとるやないかっ。これからの季節にぴったりやなぁ!」
「ありがと、譲治。これ、大切に着るわね。お台所は冷えるから、これ、本当にうれしいわ。」
 絵羽は素敵な贈り物ににっこり。秀吉も似合っていると、大絶賛だった。
 しかし、譲治は愛想笑いを浮かべながら目を白黒させている。

 あ、……あれ……?
 あれは確か、朱志香ちゃんが買ったどてら……。
 ど、どうなってるの……??
 譲治は苦笑いしながら、頭上にクエスチョンを浮かべるのだった……。

 と、なれば。
 当然、朱志香が蔵臼に送ったプレゼントも、違うものになっている。
 いったい、蔵臼には、誰のプレゼントが行ったのだろう……。
 直接手渡すのは恥ずかしかったので、朱志香はプレゼントを、蔵臼の書斎の前にこっそり置いておいた。
 そもそも、朱志香の家では、勤労感謝の日にこういうやり取りをする習慣はない。

 だから朱志香にとっても蔵臼にとっても、唐突なプレゼントになるわけだ。
 きっと驚いてくれるだろうと思う半面、なぜ今回に限ってプレゼントを、と考えると、如何にもギターをおねだりしたくてゴマを擦っているのが見え見えで、恥ずかし過ぎる…。
 だから、書斎の前にこっそり置くくらいで、丁度いいと思っていた。
「……父さん、さっき書斎に上がってったよな…。プレゼント、気付いてくれたかなぁ…。」
 朱志香は客間でテレビを見ていたが、それも上の空。
 颯爽と羽織って降りてきてくれないかなとそわそわしていた。
 あ、……ひょっとして内線を私の部屋に掛けて、電話で感謝しようって言うんじゃ…。
 だったら嫌だなぁ。あ、でも、それなら部屋に戻って電話を待ってた方がいいかなぁ…。

「どうしたのです、朱志香? 落ち着きなく、そわそわして。」
「あ、あはははは…! な、何でもねーぜっ。と、父さんはもう、書斎へ上がったのかなぁ?!」
「さっき上がりましたが、もうじき下りて来ると思いますよ。……朱志香が買って来てくれた紅茶を、さっそくいただきましょう。」
 紅茶の道具を乗せた配膳台車を、夏妃自らが押しながら、客間にやって来た。
 紅茶の入れ方を厳しく指導されている使用人たちに比べると、夏妃のそれは、少々濃い。……茶葉によっては、少しエグくしてしまう。
 しかしそれでも、朱志香は母が自ら淹れてくれた紅茶は嫌いではなかった。
 家族水入らずでの紅茶のひと時。使用人たちが嫌いなわけではないが、やはり自分の家族だけだと落ち着くものだ……。
 そんなところへ、プレゼントしたどてらを着て下りて来る蔵臼…。
 蔵臼は照れながら、「朱志香、ありがとう。珍しいな、お前が贈り物をしてくれるとは……。」
 すると朱志香は、「い、いやぁ、それほどでも…。た、ったまにはその、勤労感謝の日ってことで、……と、父さんに感謝してもいいかなぁっと思って。」
 それに夏妃が、「右代宮家次期当主としてふさわしいかどうかはともかく。……家族だけの時は、たまにはこういうのも悪くはありませんね。」
 という感じで、ほんのり温かみのある紅茶の時間になっちゃったりして。
 それでいい感じのところで、実は……、私、楽器がやりたくて……なぁんて感じで切り出せたらなぁと、朱志香は皮算用をしていた。
 すると、のっしのっしと蔵臼のやって来る足音。

「すまん、待たせたな。」
「あなた。朱志香が買って来てくれた紅茶ですよ。いただきましょう。」

「………あれ、…父さん。……その、プ、プレゼントは、どうだった……?」
「うむ、ありがとう。素晴らしかったよ。」
「………あ、………そう…。」
「おや、何かあったのですか?」
「うむ、朱志香から、勤労感謝の日のプレゼントがあってな。……なかなかに小洒落ていた。」

 蔵臼は、どてらを羽織ってはいなかった。
 えー、そこは空気を読んで、羽織って降りて来るのが道理じゃねーのかよー…! ぶつぶつぶつ! 少ない小遣い叩いて買って、そのどてらからギターを買ってもらおうという、わらしべ長者作戦がー、もー! ぶつぶつぶつ! 朱志香は心の中で大いにぼやく。

「あ~~、肩が凝ったなぁ。」
「……だからなんだよ。運動不足じゃねーの?」
「う、う~~ん、肩を揉んでもらえたら嬉しいなぁ…。」
「肩を冷やしてっから凝るんだぜ。あ、厚着しろよな。例えばその、ど、どてらとかっ。」
「どてらなど、庶民の上着ではないか。そんなものより、私の肩には相応しいものがあるんじゃないかね?」
「は、…はぁ?! 相応しいものって何だよ。うぜーぜっ!」

 朱志香はプンプンしながら客間を出て行く。
 蔵臼は娘とのコミュニケーションに失敗し、何をどう間違えたのかと、目を白黒させていた。
「う、う~~む。そ、そうか! 午後9時までと書いてあったな。これはうっかりした…。明日、機会を改めるとしよう…。」
「何の話です? 勤労感謝の日のプレゼントの話ですか?」
「う、うむ。……実は朱志香からこんなものをもらったのだ…。」
「あら、まぁ。」
 蔵臼ががっくりと肩を落としながら見せるそれは、……真里亞が楼座に贈るはずだった、肩叩き券。

 譲治のところに、朱志香のプレゼントが来て。
 朱志香のところに、真里亞のプレゼントが来て。
 ……プレゼントが、どういうわけかズレてしまっている。
 譲治も朱志香も、大きさも梱包もまるで違うのに、どうして間違えてしまったのかと首を捻るが、魔法なのでどうしようもない。
 とりあえず、自分の贈ったプレゼントを喜んでもらえるよう、祈るしかなかった…。

 戦人が買った電動シェーバーは、確かに多少は安く買ったものだが、戦人の小遣いには少し大きな買い物だった。
 狡猾な戦人は、それを正直に霧江に話し、共同の贈り物にしようと提案。半額を肩代わりしてもらうことに成功していたのだった。
 しかし、不幸なことに、ここ数日、留弗夫は外国の客人との重要なミーティングが重なっており、会社に泊まり込んでいた。
 プレゼントはタイミングが大事。
 なので霧江は、留弗夫に渡してもらうように会社の秘書に頼んでおくのだった。
 そのおかげで、翌日の深夜には、留弗夫の社長席の上には、霧江&戦人よりとメッセージカードの入ったプレゼントボックスが置かれていた。

「おう、これか、霧江が電話で言ってたのは。」
 深夜に社長室に戻って来た留弗夫は、机の上に置かれたプレゼントボックスを見つける。
 メッセージカードを開くと、霧江の几帳面な文字で短いメッセージが添えられていた。
“留弗夫さんへ、日頃の気持ちを込めて。霧江&戦人”
「ひょぅ。沁みるねぇ。……なんだろうな。大事に使うぜ。」
 箱を持ち上げると、なかなかの重厚感がある。男物の世界では、重さ=グレードっぽいイメージはある。
 留弗夫は、こりゃ、かなり高いものを贈られたかなと仰天してしまう。
 嬉しい半面、お返しも同じグレードを期待されてしまうわけで、しかもそのお返しは二人分。やれやれと肩を竦める。
 梱包のリボンを解こうとすると、卓上の電話が鳴った。
「もしもし、俺だ。…………ん? わかった、繋いでくれ。極秘の商談だ。しばらくはだれの電話も伝言も取り次ぐな。………………もしもし。…よう、ハニー。明日会えるって言ったろ? ここへはあまり電話するなって言ったぜ。……はっはは、馬鹿だな、今夜はよく寝ておけって。明日の夜は寝られるとは限らねぇぞ?」
 留弗夫はいやらしくニヤニヤと、あるいは、生き生きと電話の相手に微笑みかける。
 ……こーの男は、しょーこりもなく、まぁた女を引っ掛けていたのだ。
 もはやライフワークと言ってもいい。ビジネスで、美人のネーチャンを見つけると、口説かずにはいられないのだ。
 今日の日程が片付いて肩の荷も下り、深夜ということで妙なテンションも高いのか、留弗夫は、大人な会話を楽しみながら、その受話器を肩で抱え、プレゼントの梱包を解く。
 浮気はしながらも家族サービスは忘れない。それを両立できてこそ、真の浮気道と彼は考えていた。

 と、電話をしながら梱包を広げると、中からはなかなか迫力のある桐の小箱が。
 おいおい、何だこりゃあ。

「へっへっへ。本気になったら負けだぜぇ? お互い承知の関係だろ? そうさ、そういうストイックなところが、俺は気に入ってるんだぜ…。……先日プレゼントしたやつ、ちゃんと身に付けて来いよ。楽しみにしてるからな。」
「うふ~ん、もちろんよ~。明日一晩は、奥さんのことなんか忘れさせちゃうんだから~ン☆」
「可愛いこと言うじゃねぇか~。………って、……ぬおッ、」
「ど、どうしたの~?」

 かぱっと、桐の小箱を開けると。
 そこには、切っ先鋭利な、……鈍い銀の煌きが。
 指先でちょこんと触れただけで、……血が珠になって浮き出しそうなくらいに、鋭い。
 え、……あ、……ほ、………包丁……?
 ……何で、……俺に……?
 留弗夫は脂汗をぽたぽた垂らしながら、メッセージカードを読み返す。

“留弗夫さんへ、日頃の気持ちを込めて”

 日頃の気持ちを込めて。
 込めて込めて込めて。

「ダ~リーン、どうしたのぉ、黙っちゃってぇ。」
「あ、……あはははははは!! い、いやゴメンな?! そのあのその、実は明日、急な用事が入っちゃってなぁ?! お、追ってこっちから連絡するからその、し、しばらくはこっちに連絡しないでくれ…! ああのその、………刺されるぅううううぅううううううう!!」
 ……譲治の買ったプレゼントは、留弗夫に渡ったようだった。
 どんなプレゼントも、日頃の行いが悪いと、メッセージも誤解されてしまうといういい見本だ。

 さて。となれば、最後の真里亞は?
 一体、真里亞が楼座に渡したプレゼントは何に?

「社長~。お嬢さんから電話ですー。回しますかー。」
「まわしてちょうだい。真里亞ったら、何かしら。仕事場には掛けちゃ駄目って言ってるのに。………もしもし、真里亞? どうしたの?」

「うー! ママー! お仕事中にごめんね、お仕事中にごめんね…!」
 一体、何の用件だろう? 真里亞の口調は浮かれるようで、とても仕事場に電話をしなければならないような、緊急事態には感じられなかった。楼座の眉が、わずかに釣り上がる。
「……真里亞。ママは今、プレゼンに向けて大忙しなのよ? 言ったでしょ? 今日から当分は帰れないくらい忙しいって…!」

 楼座のそのやり取りを見ながら、社員のデザイナーたちは、こそこそ話をしている。
「社長、また家に帰らないとか言ってんの~…?」
「忙しくなんか全然ないのにねぇ。たまには真面目に帰宅して、娘さん孝行すればいいのにねぇ。」
「まぁた、新しい彼氏じゃないッスか~? ほォら、例のデザイン事務所のチーフプロデューサーのアキヒトさァん♪」
「あー、あのちょっと細い感じのヒトぉ?」
「でもさでもさ、あの人、ひげ濃くね? つか、夕方にはもう青々だよねぇ~。」
「キスするとき、ザリザリするとか、ありえな~い! きゃっきゃ、きゃっきゃ!」
「うるさいわよッ!! 私語する暇があったら、フロントスリットの白ワンピのラフを上げてちょうだい!!胸の紫のリボンも忘れないでよッ?!」
 受話器を手でふさいだ楼座が、血管を浮き立たせて叫ぶ。

「あぁ、ごめんなさいね。……こんな感じなくらい、ママのお仕事は忙しいのよ。用件は何? 手短にね?」
「うー! いつもお仕事を頑張って、帰りが遅いママのためにね。今日、お昼に帰って来たとき、ママの鞄にプレゼントを入れたの。」
「え? 鞄に?」
 楼座は今日、たまたま自宅近くを寄ったので、お昼だけでも一緒にと、真里亞と昼食をとったのだ。
 真里亞はそこでプレゼントを渡したかったのだが、楼座が不機嫌に、もう行かなくちゃ行かなくちゃと連呼したので、鞄にそっと潜り込ませておいたのだ。
 ……実際のところ、楼座にとっては罪滅ぼしみたいな帰宅だった。
 新しい恋人と数日一緒にいることになってるので、それに対する穴埋めのつもりでの突発の帰宅。……そして、数日帰宅しないことを印象付けるかのような、忙しい忙しいの連呼。

 ……はー。私も自分が悪いママだと百も承知だわ。
 娘を蔑ろにして、こんな秘密の交際をしているなんて…!
 でもね、真里亞。ママは母だけど、まだ女でいたいの!

 まだまだ燃えるような恋がしたいのよ?! あぁ、それをあなたにわかれとは言わないわ。
 アキヒトさんといるとね、辛いことをみんな忘れて、一番幸せだった日々を思い出せるの!
 確かにヒゲは濃い人だわ。一日に三回ほどヒゲを剃ってほしいわよね。あぁでも、ヒゲが濃い人は、男性的な意味でも強いって言うしぃ~。

「…………真里亞。……これは……、……?」
「真里亞からのプレゼントだよ。…きひひひひひ。」

 それは、……どう見ても。男性用の、電動髭剃り。

「これは、……どういう意味かしら……? ママに、ということなの…?」
「今のママに、一番ぴったりなプレゼントだと思うよ。ね? 嬉しいでしょう? 使って?使って? ママが喜んでくれるのが、真里亞の一番の幸せなの。だからそれを使って?使って? きひ、きひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」

 プレゼントをしたらあら不思議。
楼座はあんなにも忙しい忙しいと言っていたのに、その日からはきっちりと帰宅するようになって、真里亞と毎日、お夕飯を食べてくれるようになりましたとさ。
 とっぴんぱらりのぷぅ。

「うー! ベアトのお話すごいすごい! ちゃんと真里亞幸せになれた。ママが帰って来たー! うーうーうー!」
「なー? だろー? ちゃんとひと捻りいれて、いい感じにまとめたろー?!」
「有効です。捻りを入れつつも、ちゃんと物語として成立したかと。」
「……お、おほん。つ、つまりですね。真心込めて選んだものなら、たとえ品が違ってしまってもそれは届く、…というお話です。……大事なものは心、ということですね…。」
 ワルギリアは、話をめちゃくちゃにされたにもかかわらず、筋が通ってるみたいな評価をされて、ちょっぴり面白くない。
 悔しいので最後くらい、いい話のようにシメてみたい。
 すると、急にベアトが畏まり、どこからともなく、プレゼントボックスを取り出した。

「じゃじゃーん♪ というわけで、これは妾からお師匠様にだ。妾も勤労感謝の日に、普段世話になっている、ロノウェやお師匠様にプレゼントを贈りたいと思ってな!」
「ま、……まぁ…。まさかあなたが、プレゼントを贈ろうなどという気持ちになるとは…。……う、嬉しくて戸惑ってしまいますよ。」
「私も先ほど、お嬢様より頂戴いたしました。まだ開けてはおりませんが。」
「うむ。ロノウェにはもう渡した。気にせず、お師匠様も開けてほしい! ほれほれほれ。」

「………なるほど。ベアト、オチが読めましたよ?」
「へ~? 何の話やら?」
「私とロノウェに贈ったプレゼントが逆になっているのでしょう。私に、男性用のプレゼントがでてきてびっくり仰天。どったんばったん、どっとはらい。……というところでしょう? あなたの考えることは単純で、いつも先が読めますよ。……まぁ、でも。」
 そういうささやかなイタズラが仕込まれていたとしても。
 ベアトがプレゼントを贈ってくれたという気持ちが、何よりも大事。
 感謝の気持ちそのものに勝る贈り物はないのだから。まさにたった今、自分はそれを伝えたはずなのだから。

「……まぁオチは読めてます。ロノウェ用に贈った、赤いフンドシでも出てくるとか、そういうオチでしょう。…………これは? 本?」
 ブックカバーが掛かっているので、タイトルはわからない。
 しかし、ぱらりと中身を開くと、モノクロの、ステンドグラスアートのようなイラストがたくさん載っていた。………これは……、
「……塗り絵、の本ですか。」
「そうそう。子供用のじゃないぜェ? 大人用の、しっかり手応えのある、古今の名画の塗り絵だ。銀座の伊藤屋で買ってきた水彩色鉛筆付きよ…!」
「おや、これは羨ましい。私が以前から欲しがっていたものです。」
 ロノウェがにっこりと微笑む。
 ベアトのことだから、どうせ変なオチを付けてくるだろうと身構えていたのが、急に申し訳なくなってしまう…。
 ワルギリアは頭を下げ、感謝と謝罪を同時に示さなければならなかった。

「あ、ありがとう…。あなたらしい贈り方ですね。……おかしなものがプレゼントに違いないと思わせておいて、こんな王道な素敵なプレゼント。……すっかり、あなたのシナリオに騙されてしまいました…。」
「うっひっひ。ほめすぎだぜ、お師匠様ぁ。ロノウェへのプレゼントが間違ってお師匠様に行っちまっただけなんだからさァ。」

「ありがとう、ベアト。……この塗り絵、ゆっくりと楽しむことにしますね。……………ん?」

 パタリと本を閉じたときの拍子で、表紙のブックカバーが外れてしまう。
 そこには、この本のタイトルが、こう記されていた。

“楽しく脳を活性化! 熟年からの塗り絵。ボケ防止でいつまでも若く!”

「………………………………………………………………。」
 ワルギリアの両目が珍しく、……乾いて開く。
 重く生温い風が吹き抜け、黄金郷の空に雷雲がうねった……。

「お師匠様ァ、勘違いするなよォ? これはロノウェに贈ったもんなんだからなぁ? 別にお師匠様に贈ったわけじゃねぇんだぜぇええぇえ? お師匠様、言ったもんなぁ? プレゼントが入れ替わっちまっても、真心込めたもんなら、ちゃんと気持ちは伝わるって言ったもんなァ~☆」
「………ところでロノウェ。あなたのプレゼントの中身は?」
「はて、何でしょうか。……おやおやこれはこれは。今、流行の飲むヒアルロン酸、王潤ですな。くっくくくくくく、これはこれはありがたい。最近、階段の上り下りで膝が痛んでおりましたもので、ぷーっくっくっく!」

「…………ベアトリーチェ。」
「なァにー、お師匠様ァ。」
「さぁさ、思い出して御覧なさい。」
「敬老の気持ちィ?」
「あなたがどうやって殺されるかですッ!! 出でよ巨人の戦列、並べよ鋼の轡ッ、地平まで埋め尽くせ神なる槍!! 穿ちて散らし、裂きては焼き払え!! 出でよシエスタ近衛連隊、百の黄*でこの無礼なる弟子を縫い潰してしまいなさいッ!! むぎぃいいいいいいいいいぃいいいいいぃいいいいぃぃ!!」
「上等だぁ、返り討ちよぉおおおおお! うおりゃぁああああああああああああああああああぁああ!!」

 ドッタンバッタン。どっとはらい。


1楼为翻译部分
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发表于 2010/10/17 | 编辑
翻译者为巴哈姆特的canal

http://forum.gamer.com.tw/Co.php ... 84&author=canal

以下为翻译正文

----------我是分割线-----------

於2009年11月22日舉辦的『うみねこのなく頃に』活動「GATE:stalemate」
上發放的小冊子,以下為大致內容。


日本的11月23日是勤勞感謝日,對於孩子們來說,這一天是對為了家庭而辛苦
工作的大人們,表達感謝的日子。

戰人、讓治、朱志香、真里亞四個人聚集在喫茶店,討論要送什麼禮物給自己家
的大人,真里亞與讓治已經準備好禮物。

真里亞打算送給樓座的禮物是搥背券,有效期限是一個月,一天一次,一次30分鐘。

讓治打算送給秀吉新的錢包,送給「廚房的魔女」繪羽,售價20萬日幣左右的
進口菜刀。(因為繪羽很會做菜)

因為戰人與朱志香還沒有決定好要送什麼,四人前往百貨公司。

真里亞提議送棉和服,因為樓座冬天時都穿著棉和服+運動衫,窩在電暖桌裡
一邊吃橘子,一邊看紅白。

朱志香買了棉和服,準備送給藏臼,戰人買了打折的電動刮鬍刀,要送給留弗夫。


上位世界的貝阿朵、瓦爾基莉雅、羅諾威看著小孩組四人,貝阿朵覺得單純送禮物
給父母親很無聊,打算用魔法惡作劇,製造一些驚喜。


場景轉到長女一家,打開讓治送給繪羽的禮物,菜刀變成了棉和服,不過顏色剛好跟
繪羽的手套一樣,所以繪羽與秀吉還是感到很高興。

「這個給媽媽,感謝妳總是為了家族而努力。」

「謝謝你,今年會是什麼呢。老公你的是什麼呢?」

「俺的是錢包喔!多謝你啦!」

「那個,很帥氣不是嘛,很棒的錢包,是讓治選的嗎?」

「嗯。因為爸爸感覺還很年輕,所以適合稍微年輕人取向的款式,
 是現在正流行的維可牢。」

「哇哈哈哈!那麼,俺也不能輸給錢包啊!繪羽的是什麼呢?」

「我正要打開來看,會是什麼呢,真令人期待。」

「在廚房打開看看,一定對煮飯會有幫助的。」

「咦?會是什麼呢,菜粥不知道煮好了沒有。那麼,我在廚房偷偷的打開來看吧。」


場景轉到長男一家,覺得不好意思的朱志香把禮物放在藏臼的書房前,跑去客廳看電視,
夏妃自己推著台車進來,上面有剛泡好的紅茶。

朱志香本來是計畫好藉由送禮物,對父親說自己想要買吉他。不過下樓的藏臼,身上
並沒有穿著自己買的棉和服。

「抱歉,讓妳們久等了。」

「老公,這是朱志香買回來的紅茶,我們開動吧。」

「………奇怪、…爸爸。……那個,禮物、你覺得如何……?」

「嗯,謝謝妳。是很棒的禮物喔。」

「………啊………這樣…。」

「那個,發生什麼事情了嗎?」

「嗯,收到朱志香送的勤勞感謝日禮物。……是相當不錯的東西。」

「啊~~、肩膀酸痛了。」

「……所以才說嘛,不會是運動不足吧?」

「嗯、嗯~~、如果幫我搥背的話,我會很高興的…。」

「是因為受寒才會肩膀酸痛吧,啊,要穿厚一點的衣服。譬如那個,棉和服之類的。」

「棉和服不是庶民穿的嗎?比起那種東西,應該有更適合我肩膀的東西吧?」

「什、…什麼?!適合的東西是指什麼啊,煩死了!」

朱志香氣呼呼的離開了客廳。

藏臼因為與女兒的溝通失敗,不知道是哪裡出錯了,而一臉錯愕。

「嗯,原、原來如此!上面有寫到下午九點。這是我的疏失…。明天、看有沒有
 機會好了…。」

「你是指什麼呢?是關於勤勞感謝日的禮物嗎?」

「嗯。……其實我從朱志香那裏收到了這個…。」

「哎呀,這個是」

藏臼無力地垂下肩膀,拿給夏妃看的那個是,……原本真里亞要送給樓座的搥背券。


朱志香的禮物跑到讓治那裡去。

真里亞的禮物跑到朱志香那裡去。

……禮物不知道什麼原因會對不起來。

不管是讓治還是朱志香,對於禮物的大小與包裝明明就完全不同,搞不懂為什麼會弄錯,
因為是魔法,所以無可奈何。

總之,只能夠祈禱自己送的禮物,收到的人會感到高興…。


戰人買的電動刮鬍刀,確實是多少便宜點買到的東西,不過對於戰人的零用錢來說,
算是有點大的支出。

狡猾的戰人將這件事坦白的告訴霧江,提案當成共同贈送的禮物,成功將負擔的金額
減少為一半。

因為留弗夫這幾天一直待在公司,所以霧江請秘書代為轉交禮物。

「喔,這就是,霧江在電話中提到的東西。」

「還蠻重的。……會是什麼呢,好好的使用它吧。」

留弗夫一邊與今天在外面認識的美女姐姐講電話,一邊拆開兩人送的禮物。

聊到一半時,留弗夫突然停了下來。

咦、……啊、……哦、………菜刀……?
……為什麼……送我這個……?

留弗夫不停的冒冷汗,反覆讀著上面的卡片。

“給留弗夫,這裡面有平日的心意”

「親愛的,怎麼了?都不說話。」

「啊、……啊哈哈哈!!抱歉?!那個,其實我明天、突然有急事?!會
 有人持續跟我聯絡,拜託暫、暫時不要打給我…!啊、那個………我要
 被刺了!!」


……結果讓治買的禮物,是到了留弗夫手上。

到底,真里亞給樓座的禮物會是什麼?


「嗚!媽媽!在工作時打給妳對不起,對不起…!」

「……真里亞,媽媽今天,為了準備發表會很忙說?我跟妳說過了吧?今天我會
 忙到大概沒辦法回去…!」

看到樓座在講電話,員工的設計師們講起了悄悄話。

「社長,又說不回家了嗎~…?」

「明明就一點也不忙,偶爾也準時回家,陪陪女兒不是很好嗎?」

「又是新男朋友吧~?那個設計師事務所的團隊製作人,昭仁先生」

「啊、那個感覺瘦弱的人?」

「但是但是,那個人的鬍子很多吧?傍晚已經是密密麻麻的一片了~。」

「接吻的時候,會感到刺刺的,讓人無法忍受吧!」

「吵死了!!有時間聊天的話,提出白色連身裙的草圖!!胸口的紫色緞帶也
 不要忘了喔?!」

冒出血管的樓座,用手塞住電話吼著。

「啊、對不起。……就是這樣子,媽媽的工作很忙。有什麼事嗎?長話短說喔?」

「嗚!為了平常工作很忙,總是很晚回家的媽媽。今天,我在媽媽中午回去的時候,
 在媽媽的包包裡面放了禮物。」

「咦?包包裡?」

樓座今天偶而經過自家附近,與真里亞一起吃午餐。

雖然真里亞想在那裡送禮物,因為樓座不高興,一直說必須先離開了,才偷偷的把禮物
放進包包裡面。

……實際上,對樓座來說,就像是贖罪一樣。

因為跟新男友在一起好幾天,為了彌補這些,而突發性的回家。……然後,為了不造成
好幾天沒回家的印象,一直說很忙很忙。

我也很清楚自己是個壞媽媽。

竟然疏忽女兒,進行這種秘密的交往…!

但是呢,真里亞。媽媽雖然身為母親,還是想當女人!

還想要談轟轟烈烈的戀愛?!啊,我不會希望妳能夠理解。

跟昭仁先生在一起,可以忘掉所有難過的事,想起那些最幸福的日子!

他的確是個鬍子很多的人。我希望對他說一天要刮三次鬍子。

啊,不過,聽說鬍子多的男性,在那方面也比較強~。

「…………真里亞。……這個是……、……?」

「是真里亞的禮物喔。…唧嘻嘻嘻嘻。」

這個、……怎麼看,都是男性用的,電動刮鬍刀。

「這個是、……什麼意思呢……?是要媽媽,怎麼樣呢?」

「我想這是目前最適合媽媽的禮物喔。哪?很高興吧?用吧?用吧?只要媽媽感到高興
 的話,就是真里亞最大的幸福喔。所以用它吧?用吧?唧嘻、唧嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻
 嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻嘻!!」

送禮物真的是很奇妙。

樓座明明就一直說自己很忙很忙,從那天起她變成每天都準時回家了,每天都跟真里亞
一起吃晚飯了。

「嗚!貝阿朵的話好厲害好厲害!真里亞真的變得很幸福了。媽媽回家了!嗚嗚嗚!」



貝阿朵突然畢恭畢敬的,拿出不知道從哪裡來的禮物箱。

「鏘鏘~就是這麼一回事,這是妾身要給師傅大人的。在勤勞感謝日,妾身也想要送禮物
 給平時照顧妾身的羅諾威與師傅大人喔!」

「這、……這個…。沒想到妳會有想要送禮物的心意…。……我、高興到有些困惑了。」

「我剛才也從小姐那裡收到了禮物,雖然還沒有拆開。」

「嗯,羅諾威已經給過了,不要在意,請師傅大人也拆開來看吧!快點快點。」

「………原來如此,貝阿朵,我知道妳的意圖了」

「咦?您是指什麼?」

「送給我與羅諾威的禮物是顛倒過來的吧,我看到是男性用的禮物而大吃一驚。
 慌慌張張、可喜可賀。……大致上是這樣子吧?因為妳的思考很單純,所以我
 總是會事先預料到呢。……不過。」

即使是加入了小小的惡作劇。

貝阿朵送禮物給我的這個心意,比起什麼都重要。

沒有比感謝的心意更好的禮物了,現在這心意應該已經傳達給自己了。

「……不過我已經預料到了,會出現羅諾威專用,紅色相撲丁字褲之類的東西吧。
 …………這個是? 書?」

因為包著書套的關係,所以不知道標題是什麼。

但是,稍微翻開來看,裡面有許多像是黑白的彩色玻璃藝術之類的插畫。

………這個是……

「……是著色本嗎。」

「沒錯沒錯,這可不是小孩子用的喔?是給大人的,相當具有質感,有著古今名畫的
著色畫。還附贈從銀座的伊藤屋買來的水彩色鉛筆喲…!」

「喔呀,真讓人羨慕,這是我從以前就一直很想要的東西。」

羅諾威露出了微笑。

因為是貝阿朵的關係,心想反正會有奇怪的意圖,而有所防備,突然覺得
不好意思起來…。

瓦爾基莉雅低著頭,同時表達感謝與謝罪的意思。

「謝、謝謝妳…。很像妳送東西的風格呢。……讓人以為一定會是奇怪的禮物,結果是
 這樣王道且美好的禮物。……完全被妳的劇本給騙了…。」

「嗚嘻嘻,您太過獎了啦,師傅大人。不過是給羅諾威的禮物,弄錯了跑到師傅大人的
 手上而已。」

「謝謝妳,貝阿朵。……我會慢慢享受這著色畫的樂趣。……………嗯?」

隨著啪一聲,在闔上書本的時候,封面的書套脫落了。

那裡有著這本書的標題,是這麼寫的。

“輕鬆讓大腦活性化!從熟年開始的著色畫,能防止癡呆,經常保持年輕!”

「………………………………………………………………。」

瓦爾基莉雅的雙眼很少見的,……乾澀的睜開了。

沉重並帶著微溫的風吹過,黃金鄉的天空佈滿雷雲……。

「師傅大人,不要誤會了喔?這個原本是要送給羅諾威的禮物喔?並不是打算要給師傅
 大人的喔?師傅大人,您說過吧?就算禮物被替換掉了,裡面如果有著真誠的心意,
 心意一定會傳達給對方的,您是這麼說對吧~☆」

「………對了,羅諾威,你的禮物裡面是?」

「那麼,會是什麼呢。……歐呀歐呀,這個是,這個是,現在流行用喝的玻尿酸,
 王潤吧。科科科科,真的是、真的是,很感謝啊,正好最近,我上下樓梯時覺得  
 膝蓋會痛,呼~科科科!」

「…………貝阿朵莉切。」

「怎麼了?師傅大人。」

「來~來~請回想一下吧。」

「敬老的心情嗎?」

「是妳會怎麼被殺死!!出來吧,巨人的戰列,並列吧,鋼鐵的轡頭,填滿到地平線為止
 的神槍!!貫穿後四散,撕裂後燒光!!出來吧,謝絲塔近衛連隊,用上百的黃*,
 把這個沒禮貌的徒弟給縫起來並摧毀吧!!氣死我了啦!!」

「正好,報仇不成反被殺!看招吧!!」

慌慌張張,可喜可賀。


[ 此贴被olkandzdf在2010-10-17 09:43重新编辑 ]

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