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发表于 2007/11/17 | 编辑

猜你喜欢: fate, FateZero, ddd


 あ


悪魔(用語)
 荒唐無形にして人知無能の現象。
 架空の触覚は同じ空想の怪物、つまり悪魔を許容する。


悪魔使い(用語)
 悪魔を使役する者。
 迦遼海江と石杖所在が該当する。彼らは欠落した部位に悪魔を装着して使役する。


悪魔憑き(用語/俗称)
 アゴニスト異常症、A異常症、レセプタクラッシュといわれる突発的な精神障害の俗称。



悪魔払い(用語)
 悪魔憑きを体ごと壊す。そのためまともな人間に戻れることは戻れるが、社会復帰は絶望的。石杖所在に払われた患者は『悪魔憑き』ではなくなるので、特例として普通の病院に送られる。


アゴニスト異常症(用語)
 悪魔憑きと俗称される精神障害。A異常症とも。自分の感情をコントロールできなくなった精神障害者のこと。脳にできる腫瘍とされ、世間一般には『躁鬱の激しい自律神経失調症』と認識されている。
 強烈な感情により神経伝達物質(リガンド)が放出されすぎて受容体刺激剤(リガンド)のごとき毒となり、受容体(レセプタ)が破壊されて、受容体がその感情を鎮静させるために新しく人体機能を調節する。その結果人体としての在り方が歪む。
 これは症状が軽い順にA、B、C、Dと分類される。軽度ならば人格の変貌、自己の喪失、強迫観念による自傷行為自殺未遂、周囲への殺意の発散となる。重度の発病者は精神面のみならず肉体面でも人間では持ちえない機能を発揮する。簡単に症状を分類すると、もとからある性能が上下するものと肉体が変化するものとに分けられる。
 初期症状は精神疾患に近く、自我の増大もしくは減少、周囲との摩擦、個人への執着、一人では抱えきれない脳波の暴走といったもの。これにより脳の受容体に多大なストレスが与えられ、受容体はその原因を解決するために、痛むのなら痛まない体を、獣に戻りたいなら獣のような身体機能を、といったように新たな人体運営を開始する。
 アゴニスト異常症による変態は本人が渇望すれど通常ならば到達不可能な力を与えるが、あくまで非可逆な自壊。たとえば何らかの理由で生来の身体機能を失った者がアゴニスト異常症によってその機能を取り戻したとしても、その形と心は本来のそれからかけ離れたものとなる。
 新部は夢の新造機能ではあるが、その分通常組織に負担がかかりすぎる。そのため、新部を生きるため以外に使いすぎると内部が壊死して死に至る。そういった状況は治療をせず単身で生活している重度のアゴニスト異常症患者に多い。
 アゴニスト異常症患者の多くは精神障害を併発する。大部分は精神障害を先に発症するが、新部を得てから精神障害を発症する患者もいる。
 A判定は患部はあるが新部がない者。B判定の基準はよくわからないが、久織巻菜の見立てでは新部が比較的安定しており、ぎりぎりで治療が現実的であり手術の許可が出そうな者。一番患者数が多い。C判定は病状が安定した患者。D判定は末期の患者。治療、切除が不可能、あるいは成体。
 D判定の患者のなかでも特別な患者はもはや人間としての原型がないという意味で『なし』と呼ばれる。ハートレスとブレインレスが確認されており、ブレインレスは石杖火鉈。
 D判定の患者は患部の切除が死に直結する。オリガ記念病院ではB判定の患者を何度か手術したことがあるが、術後は外界の出来事にまったく反応を示さなくなった。つまりB判定であっても患部を切除すると廃人になるのである。例外として正気に戻ったあと自らの罪に耐え切れず心を閉ざした女性もいる。
 よって患部の切除により人体を正常に戻すことは可能でも、心を正常に戻すことは不可能。実際に心の治療は成功していない。
 その三要素は受容体刺激剤を異常分泌させる原因である患部、それによって新しく生まれた機能である新部、患部を育て上げる原因であった感情の暴走。一般に常人よりも頑丈で、神経性の麻酔は効きにくい。
 アゴニスト異常症の原因となる病原体の総数は判明しており、それ以上に増えることはない。だがわかっているのは数字だけであり、誰がどんな患者かは発症するまで判らない。病原体の滅菌は1990年に完了している。感染した可能性があるのはおよそ20万人、発症の可能性があるのは最大で5000人。なお2004年8月13日の時点で約4000人の患者が発見されており、うち約3000人が死亡、オリガ記念病院に入院しているのが約600人。
 病原体は外界に潜伏し続ける耐久力と人体に影響を与えるという点での感染力は既存のどのような病原体より強いのだが、繁殖力だけはCDCカテゴリでC以下の最低ランク。そのため第一世代の患者から第二世代が生まれるとか、病原体が増えることで患者が増えるといったことはない。だが日守秋星の言によれば血液感染もありえるらしい。
 患者やその被害者はオリガ記念病院に収容され、一度でも入院した者は国が管理、監視、運営するため住居を他の県に移すことはできない。アゴニスト異常症についての統計は県単位で出されており、C県が最も多い。またアゴニスト異常症患者は退院できたとしてもパスポートどころか運転免許証すら取得できない。逆算すると最初の発症者はおよそ二十年前に発生した。感染者は東日本にのみいる。
 基本的に患者はオリガ記念病院に収容されるが、石杖所在に払われた患者は『悪魔憑き』ではなくなるので特例として普通の病院に送られる。が、その場合には新部を切除するため廃人になる。
 ただの精神障害なのに自称悪魔憑きが増えている。



  い


鋳車和観(人名/悪魔憑き)
 いぐるま かずみ。
 シンカーと呼ばれる連続殺人鬼。唇に縦の切り傷がある。三振生産投手。ドクターK。怒りをもって起動する悪魔憑き。新部を得てから精神障害を発症しており、幼児退行と部分的な記憶の欠如がその症状。
 母子家庭で、家計はきわめて困窮していた。そのため近隣の大人や子供たちには軽蔑され、学校からも給食費や教材費の滞納から鋳車を生徒として扱わず、担任の女教師にいたっては彼一人を公認の迫害対象とすることでクラスの不満を抑える方針を採っていた。そのため学校では給食すらまともに食べさせてもらえなかった。
 石杖所在の二歳年下、霧栖弥一郎の一歳年下。能図工業団地に住んでおり、そこで小学生の頃からバッター役の霧栖とキャッチャー役の少年と三人で野球をしていた。五年生のときに監督に勧誘されて霧栖、キャッチャーの少年とともにリトルリーグに参加するが、あまりの上達ぶりに一年足らずで他の子供たちとの差が開きすぎ、疎まれるようになる。
 その後、三人で練習していた場所で願いを叶えてやるという帽子を被った悪魔と名乗る男に『絶対に打たれない投手』になりたいと願い、『打たれたら死ぬ』と言われる。同じく『全打席ホームラン』を願い、『打てなかったら死ぬ』と言われたキャッチャーの少年がその翌日にホームランを打てずに殺されたことから、投球は一球ごとに殺しあう命のやり取りになってしまった。そのため恐怖と執念を原動力に右腕に磨きをかけ、試合はおろか投球練習でさえ殺気立つようになってさらにチーム内で孤立を深めることになる。だがリリーフとして七回から登板してからはただの一度もヒットを許さないという驚異的なスコアを誇る投手となった。
 それからシンカー使い名を馳せ、県下一の変化球投手として大成した。しかし霧栖と野球をしなくなってからは彼にとって野球とは拷問に他ならず、楽しかったころのことを思い出すことすら出来なくなっていた。それでも野球を続けたのは母親のため。
 母親の教育の賜物か、貧困の中でも世を憎み羨むことはなかった。週末に霧栖の家で夕食をご馳走になることが慣例となっており、彼はその食事を特別なものを出してくれていると思っていたのだが、平日に招かれたときにその『特別な』食事を出され、自分の家の貧しさを目の当たりにする。これによって彼にとっての野球は楽しむためではなく自分たちを救う手段となった。
 霧栖が中学に上がってからは会っていない。
 高校時代にはコアラヶ丘高校の野球部に所属し、天才ピッチャーと称された。変化球を得意とする投手で右投げ。オーバー、サイド、アンダーのそれぞれの投球法に習熟しているが、小学生の頃に小柄であることからオーバースローを諦め、サイドスローに切り替える。アンダースローは決め球で、シンカーと呼ばれる殺人鬼になってからは直角に曲がる球を投げるときにだけ使うようになった。
 野球特待生として学費免除でコアラヶ丘高校に入学し、現役時代は支倉市に二人いた『人を殺しかねない野球選手』のうちの一人として知られていた。その所以はバッターにとっては直角に曲がるとしか思えないほどキレのあるシュート(シンカー)、的確な読み、胆力、ビーンボールを放たれるという錯覚。ただし鋳車は一度たりともデッドボールを出したことはない。
 2002年に夏の地区予選三回戦で霧栖弥一郎が所属する支倉第一高校と対戦することになり、前日に『容赦なく打ち崩してくれ』と霧栖に頼む。だが肝心の霧栖が先発投手から二本のホームランを奪ってエースを引きずり下ろすが、嘔吐しすぎて失神してしまい、対戦は果たせなかった。
 2003年には新エースとなったが、8月の地区予選決勝前日に瀬倉弓夜を中心とした部員8人にリンチを受けて肘と指を破壊(粉砕骨折)され、決勝当日に故障を理由に降板して引退。その後もまともに動かない腕でずっと投球練習を続けていたが、下級生にさえこき使われるまでに地位は下がった。12月に瀬倉の教室に授業中に押し入り瀬倉を殴ろうとしたところを教師に抑えられ、支倉市警察署少年育成課の指導を受ける。このときの調書には鋳車が極度の錯乱状態にあったとある。その三日後に留置場から釈放されて学校からの退学処分を了承し、自主退学という形で決着。おそらく暴力未遂は瀬倉らによって母親が自殺に追い込まれたことが関連していると思われる。なお鋳車は母親の自殺を理解していなかった。
 なお瀬倉による暴行事件は(おそらく12月の鋳車による暴行未遂も)学校により隠蔽され、公表されていない。その後鋳車を見た者はおらず、路上生活者の中にいたという噂がある。一応家出扱いで捜索対象となっているが、彼を発見・保護した警官はいない。
 2004年7月に路上生活者の中に彼と思われる少年の姿があったのだが、意識は定まらず自分の名前さえ口にできない状態だった。歪に折れ曲がった右腕を抱え、ピッチャーになりたいと懇願する彼を哀れに思った路上生活者がSVSを見せ、以後徐々に通常の精神活動を取り戻していった。ある日投手たちの集まりを眺めているときに悪魔と名乗る男に再会し、患部と新部を形成され悪魔憑きとして再び投球できるようになる。だが長らく放置していた右腕と半身はひどく焼け焦げてしまった。
 SVSをしているときには廃工場で起居していたようだ。
 新部は血液。ボールに付着させた血液を爆発させることで急激な軌道変更や加速ができるが、爆発力が強いため変化は二回が限度。再び野球をするため、この能力を使って自分が悪魔憑きであることを知る(再起不能になった鋳車が復帰している=悪魔憑き以外ありえない)かつてのチームメイトらをSVSのルールに則って殺害していた。SVSを続けるのは霧栖に打ち崩してほしかったからでもある。その頃は肉体的に相当疲弊していて常に強烈な寒気を感じ、記憶も欠落し既にまともな自我を保ってはいなかった。ろくに入浴もせず、衣服は擦り切れ、左腕はむき出しだが右腕は掌まですっぽりと長袖で覆い、顔もパーカーのフードで隠していた。
 しかし投球中は痛みや寒さを感じなくなり、精神状態も若干安定して生の実感を得る。投球直後だけは記憶の欠落はともかくとして自我は比較的まともになり、肉体的な損傷もほとんど感じなくなる。SVSを始めた頃は投球を始めてすぐに鋳車和観としての意識を取り戻したようだが、8月16日の時点では意識を取り戻すのに何球も投げなければならなくなっていた。
 2004年8月16日の時点で日守秋星の見立てでは体の右半分が壊死しており、既に自滅している状態だった。投球中に肘が折れるが、通常では考えられない速さで繋がる。SVSの前半では折れても投球中に繋がっていた。投球中に腕から血を流す。
 殺害方法は剛速球を頭部に命中させることで頭蓋骨を砕き、脳挫傷を引き起こすこと。生命を奪わなかったこともあるが、その場合は肘を砕いて選手“生命”を奪っていた。なお殺すのは三振した場合か逃走した場合に限られる。対戦相手を殺すのは、そうしなければ家に帰れないという強迫観念があるから。
 月見里朋里や日守秋星ほどではないが、一般人を凌駕する身体能力を持っている。
 8月18日に能図の工業地帯の端にあるテナント建設現場の直角に曲がる通路で鏡越しに霧栖弥一郎と対戦し、見事に打ち崩されたあと石杖所在によって払われた。その後の保護は警察により人知れず行われ、連続殺人鬼シンカーは違法薬物の中毒者の犯行という線で落ち着いた。


石杖所在(人名/悪魔使い)
 いしづえ ありか。1984年生まれ。
 悪魔払い。白髪だが、オリガ記念病院に入院するまでは普通の色だったようだ。ポリシーは『人生できるだけ楽に生きたい』。ジャンクフードと酒が大好き。ソフトドリンクがダメ。世話役を引き受けるかどうか決めるための面会に行ったところ、迦遼海江に一目でノックアウトされた。海江は嫌いだが海江の笑顔は大好き。
 いつも気だるく、自虐的だが前向き。一人でないと生きていけない弱い生き物。大抵のことは肯定するが、一つのものを二人で分けるという行為には難色を示す。元来出不精なうえ雇用主の迦遼海江が完全な引きこもりであるため、支倉市から出ない。クトゥルー神話作品を読んだことがあるようだ。
 支倉第十三号福祉施設の四階の端の部屋に住んでいる。退院直後は久織巻菜と久織伸也が起こした騒動から身を守るため福祉施設と実家を使い分けていた。
 支倉第一高校では野球部に在籍したが、最初から入っていたわけではなく二年生になってから他の活動と掛け持ちながら入部し、いきなりレギュラーとなった。以後は三年の夏まで代打要員として参加する。そこでは霧栖弥一郎が本気を出すまで天才打者と称されていた。
 2003年2月14日に妹の火鉈によって左腕を上膊の半ばから食われる。しかし食われた腕は火鉈の胃の中で蠢いており、しかもどう見ても所在が加害者で火鉈が被害者であった。その後、戸馬的に敗北した火鉈が反撃しようとしていたところを、頭をバットで強打することで止めをさした。そのときから火鉈の中での所在の扱いが『お兄ちゃん』から『(バカ)兄貴』に格下げになった。
 左腕の傷には外傷も後遺症もないが、どんなものであれ義肢をつけると無くした左腕が痛む。その原因は肉体として左腕を失ったが、概念としてはまだ持ちえているから。唯一合うのは迦遼海江の義肢。
 左腕を失ったときは大学生だったが、半年ほど通った頃に病院に送られ、およそ一年間A棟に収容されていた。戸馬的にできるだけ多くの患者と話せと言われていたので相手がどんな病状であろうが話しかけ、何度か殺されかけた。病院では例外的に分刻みの緻密な日課を送っていた。
 オリガ記念病院に入院した半年後の2003年7月にアゴニスト異常症患者としての治療プロセスが完了。2004年初頭に院内のトラブルに巻き込まれて退院を八月まで延期された。なおその退院は堂々としたものになるはずだったが、久織伸也の自殺事件により人目につかないように行われた。
 退院してから一月の間は石杖邸で生活していたが、石杖邸が売却されてからは支倉第十三号福祉施設に入居した。
 2004年8月9日に霧栖弥一郎と再会し、所在を騙ってドラッグを売っていた久織伸也(当然ながら世間は騙りであったことを知らない)のけじめをつけるためSVSに参加することになる。当初はけじめのため形だけ参加して三振するつもりだったが、対戦相手のピッチャーの球があまりに打ちやすかったためつい打ってしまう。8月16日にシンカーと出会ってSVSの対戦をするが、フルカウントになったところで日守秋星が乱入したため死を免れた。
 鋳車和観の悪魔払いを完遂したあと、暫定的にだが迦遼海江の左義手を自由に使用する許可を得た。
 2005年2月13日から14日にオリガ記念病院の壊滅をほぼリアルタイムで大幅に脚色した夢を見た。
 左腕を失ってからは物事に対する脅威を感じなくなるが、恐怖は感じる。悪魔憑きに左腕を食われた後遺症として昼間の記憶を夜になると失うようなる。昼間の記憶は体調によるがおよそ午前九時から午後六時、あるいは日没までのものが消える。夜の記憶は連続しているために記憶はメモで補っているが、そのメモが走り書きすぎてあまりに意味不明なため自分でも困っている。
 悪魔憑きではないが似たようなもので、1年半入院していた。はたから見れば実害のない悪魔憑き。
 迦遼海江の義肢の付け外しの仕事を月二十万円で引き受けている。
 やり始めたことは「きっちり終わらせておかないと甦ってきそうで怖い」ので途中で投げない。握手はしない主義。他人が作った音楽を聴くのは苦手。
 なお、火鉈を支倉坂の連続猟奇殺人事件の犯人だと思っている。



石杖火鉈(人名/悪魔憑き)
 いしづえ かなた。
 1988年生まれ。誕生日はおそらく2月13日。この名前には両親の願いが込められている。
 ブレインレス。モンスター。石杖所在をして『あんな殺人鬼を野に放されるなら、見ず知らずの悪魔憑きにやられた方が百倍まし』と言わせるほどの殺人鬼(これは所在の誤解と思われる)。所在の左腕を食った。医学的に見て既に人間ではない。道具を使うのは致命的に苦手。被害者といえば被害者、加害者といえば加害者。
 石杖所在の退院の一年前、発病の翌日に十四歳で所在とともに病院に運び込まれた。そのときには戸馬的によってほとんどミンチにされていたのだが、三日間に及ぶ大手術の結果一命を取り留め、病院のD棟に収容されている。運び込まれたときの格好は血で真っ黒に染まったウエディングドレス姿。
 支倉坂の連続猟奇殺人事件の犯人として扱われるが、その犯人は月見里朋里であり、火鉈自身はその両親も含め一人も殺していないと思われる。もっとも所在の左腕は何の道具も使わずに平らげたが。だが2003年2月14日に連続猟奇殺人事件のため突入してきた戸馬的と交戦し、ただの人間である戸馬に敗北。しかし疲労の極致にあった戸馬的が自分から目を離した隙を突こうとし、ちゃっかり後ろに忍び寄っていた所在に頭をバットで強打されて止めを刺された。
 その後猟奇殺人事件の犯人として逮捕され、オリガ記念病院に入院することとなった。なおバットで殴られたときから所在の扱いが『お兄ちゃん』から『(バカ)兄貴』に格下げになった。
 悪魔憑きとしての能力は身体能力が飛躍的に向上することだが、同様の症状を持つ月見里朋里よりも遥かに上を行く。当時は基本性能に頼っていたため、ただの人間である戸馬的に鍛え方で敗北。そのことがショックで、以来トレーニングを欠かさない。
 発病後に急速に成長したらしく、十四歳でありながら外見年齢は二十歳の美女とされる。サンドバッグを軽く八メートルかち上げるほどの力の持ち主。
 オリガ記念病院での実験の際に神経ガスの過剰投与で死亡するが、あっさりと蘇生。以後さまざまな実験によって多種多様な死を体験・克服したため、現在では殺すことすら不可能。この死んでいる間は人体は完全に死んでいても脳は独立して機能していたらしい。このため、『まだ殺せる』という仮定を否定しないためにプレス機にかけるとか爆破して粉々にするとかいった殺害方法は試されることはなく、厳重に隔離するのが唯一の対策となった。だがそれも日々成長するため、2004年8月頃からオリガ記念病院のD棟が増築されていた。
 2005年2月14日に患者と職員のほぼ全員を殺害し、正面玄関から堂々と退院した。







石杖邸(地名)
 C県支倉市支倉坂二丁目に建つ一軒家。石杖所在の妹の事件で血と弾痕だらけになったが、修復されて空き家になっている。石杖所在の入院費の清算として2004年9月に売却された。



  お






オリガ記念病院(地名)
 陸の孤島、電子の密室(電磁暗室かは不明)。2004年8月の時点で患者が約600人とのことなので、職員は約200人。
 C県支倉市から高速道路を使って三時間の場所にある。中は染み一つない白一色で統一されている。十メートル近いガラス張りの正面玄関は外部からコンクリートでふさがれており、出入りには屋上のヘリポートを使用するしかない。
 およそ十年前、悪魔憑きの感染者確認から十年後に北陸のどこか(N県)に建設中だった市立病院を国が買い取って整備する形で開院した。
 一度入院したら完治するまで外出はもとより肉親との面会も許可されていなかったが、予算の関係と人権保護団体に叩かれたために2004年になってからは模範的な患者ならば退院できるようになった。ただし退院したのは久織巻菜と石杖所在の二人のみ。
 退院後は親族の許、あるいは施設に住み、就労していない患者には最低限の食費も支給されるが、監察医がつく上に近隣で事件が起きるたびに取調べを受けることになる。また頻度は人によって違うようだが、監察医に定期的に連絡をしなければならない。退院時に運転免許はすべて破棄され、保険証や住民票などは新たに交付される。以後は運転免許証もパスポートも再交付されることはない。
 その機密性の高さは社会に誤った情報が流れることの防止と患者たちのプライバシー保護のためであるが、あまりに高いため問題視されている。
 外来診察は一切なく、悪魔憑きを収容、治療、あるいは監禁するためだけの施設である。広大な敷地に五つの病棟(A~D棟、ほかに一棟)があり、反面スタッフは百人単位という少なさ。中庭は高い壁に囲まれているものの開け放たれており、待合室はガラス張り。A棟の待合室には民放だけ映るテレビがあるが、競争率が高い上に病院側が外部の情報を与えられた患者を観察している。
 病棟は症状の等級別に分けられており、ほかの病棟に散歩することを許可された患者は自由時間に隣り合った病棟(AならばB、CならばBとD)にだけ出歩ける。自由時間の終わりはその始まりに聴かされた音楽を流すことで知らせる。なお病室から出るにも許可が必要で、過去に暴力的な事件を起こしていない患者にのみ許される。患者服は悪魔憑きの判定により異なる。患者にはそれぞれあだ名がつけられているが、それは石杖火鉈がつけたもの。
 A棟に収容されるのは、患部はあるが新部がない者、A異常症患者によって傷を負い後遺症を持ってしまった真っ当な患者。絵画や遊戯の道具を借りることができる。
 B棟に収容される基準はよくわからないが、久織巻菜の見立てでは新部が比較的安定しており、ぎりぎりで治療が現実的であり手術の許可が出そうな者。一番患者数が多く、待合室が豪華。
 C棟には病状が安定した患者が収容される。心が壊れたままの患者は病室から出ないし、自由行動を許可された患者は安定しているため暴れだすことはないためB棟よりも安全である。
 D棟に収容されるのは末期の患者。治療、切除が不可能、あるいは成体。生きているのは三人程度で、他に四十体ほど入室している。患者の多くは光を恐れるため照明が薄暗い。通路が六メートルごとに交差し、どこを見ても同じ見た目。
 悪魔憑きのみに影響を与える患者が収容されているらしく、ある患者は行方不明者を二人出している。D棟の室内プールはみっちり内蔵のようなもので満たされており、それが一人の患者なのだが、生きているので取り出せない、などという怪談があるのだが、その室内プールの鍵が閉ざされているので真相は不明。D判定の患者は40人ほど収容されていたが、中には状態が悪性なだけで本人は指一本動かせないような患者もおり、石杖火鉈のように速やかに大量殺人を犯せるような者は10人程度。
 なおD棟には病院で一番金がかかっており、そこの警備員は短機関銃を装備している。
 悪魔憑きを風邪のようなものと言い切る石杖所在さえもD棟を怪獣墓場、そこに収容される患者を正真正銘の悪魔、医学的にみれば宇宙生物みたいなものだろうと評した。
 患者の日課は病状が重くなるにしたがって空隙が増え、C棟のタイムスケジュールは朝六時に起床、七時に朝食、食後に診察、あとは昼食と夕食、というもの。A棟とB棟の患者は入院患者らしい生活を送っている。
 A棟の診察室は広く、部屋が傾いでいて、患者用の出入り口が下方、病院関係者が使う出入り口が上方にある。二階あたりの壁にガラス張りの覗き部屋がある。
 檻我鞠音がEとされていることから、おそらくA~D棟のほかにE棟があると思われる。A棟は中央棟とも呼ばれる。
 2005年2月13日22時にC棟患者の些細な規律違反をきっかけに暴動が発生し、14日0時にはA棟三階まで占拠されるが、保安部隊の出動により速やかに鎮圧された。しかしC判定の患者によりD棟の施錠が解除され、石杖火鉈により患者と職員のほぼ全員が殺害される。その後石杖火鉈は正面玄関から堂々と退院。





  か


画面潰し(人名・俗称/悪魔憑き)
 ブラクラ。本名不明。10代後半の少年。目から細さ0.1ミリメートルの神経を膿み出し、目標の眼球に侵入することで視覚を強制占領し、極悪に捏造した映像や記憶を焼き写すことで記憶野まで塗りつぶす視覚障害を負わせる悪魔憑き。
 射程は50センチメートル以内で、この画像は一生涯視界の三割に貼り付いて消すことはできない。これは脳に染み付いた映像であるため、眼球を潰そうと関係ない。
 彼はこの新部で幾度となく軽犯罪を犯し、コンビニ強盗でおよそ200万円を強奪したが、その金銭的利益よりも人間の眼を潰すことを楽しむ愉快犯だった。2004年11月までに八人の眼を潰し、その中には廃人となった者、自殺した者もいた。
 2004年11月に日守秋星に殺された。その死体は切り傷や刺し傷だらけだが一滴の血もこぼれていなかった。


迦遼海江(人名/悪魔使い・悪魔?)
 かりょう かいえ。
 美少女のような美少年。正真正銘の悪魔だという。年齢としては十四か十五歳。絹のような長い黒髪と男なら誰でもノックアウトされるような可憐な顔立ちをしている。
 性悪。残酷無情。ひとでなし。一人では生きていけない強い生き物。感情豊かで、愉快なことがあればケラケラ笑い、悲しいことがあれば天使のように微笑む。神が完全無欠で全知全能なら、悪魔は荒唐無形で人知無能でなければならない。
 人間が大好きで、どんな仕打ちを受けても文句は言わない。しかし、どんなに親しい仲になっても「外に出よう」と言うと完全な敵として認識される。人間が大好きではあるのだが、人間にまったく思い入れがない。本物と偽物に拘っており、偽物、つまり悪魔憑きを許さない。携帯電話は好きだが電話という行為は嫌い。
 偽物が大嫌いだが、患部と新部が彼にとっての貴重な栄養源。そのためか、食事を取った直後でも常に空腹。『治療』のため貯水庫を訪れたアゴニスト異常症患者を食べているようだ。
 四肢がなく、それを人の感情の名を冠した義肢で補っている。ただし機能と付け心地は別物で、大抵はベッドで横になっている。排泄の際は義肢を装着して自分でトイレに行く。一度袖を通した服は二度と使わない。
 裕福な家の生まれで、義肢の付け外しのためだけに石杖所在を月二十万円出して雇っている。ただし飲食費は給料から天引き。日当制や前払いが大嫌い。
 彼が住むのは森の中にある十メートル四方の立方体の緊急時用貯水庫の地下の部屋。そこは私有地で、もともと大きな屋敷があったがすでに取り壊されている。貯水庫の存在自体がほとんど知られていないうえ、その下の部屋の存在を知っているのは石杖在処、戸馬的などごく少数である。
 彼が使っているベッドは真横から出ないと顔が見えないように配置されている。
 彼の義肢は左腕が憎悪、右腕が歓喜、右足が悲哀。カタチだけならば他の義肢から分けてもらうことができ、おそらく実際に残っているのは右足の悲哀と左腕の憎悪のみ。義肢として装着していなくても操ることは可能。なお歓喜はHandSで久織巻菜に貸し出されたまま。
 死徒二十七祖のメレム・ソロモンと相似点があるが、直接的な繋がりはない。DDD自体、月姫やFateとは接点のない話である。


迦遼邸(地名)
 1986年に迦遼邸事件が起こり、同年に取り壊された。現在はまっさらな畑と森になっている。
 周囲には使用人や親戚が住む民家があった。なお使用人は苗字に鳥や魚など、動物を表す漢字が入っていないと雇わなかった。
 迦遼海江が住む貯水庫の地下室はもともと屋敷の離れ、蔵らしき場所だった。


迦遼ディーヴァーズ(用語)
 2004年8月13日に迦遼海江が石杖所在と野球盤で対戦したときに使用したチーム名。ピッチャーが豊富で守りに特化している。


迦遼邸事件(用語)
 詳細不明。1986年に起きた。


彼野沢集団自殺未遂事件(用語)
 1999年からC県で発生していた事件。日守秋星がこの被疑者と目された。


彼野市(地名)
 かれのし。
 C県最南部の市。


彼野市警察署(地名)
 彼野市の警察。


歓喜(悪魔)
 迦遼海江の右義手。義手でない状態の姿は不明。察するに蛇だろうか。
 HandSで久織巻菜に貸し出したままになっていたが、J the Eでは戻ってきている。


患部(用語)
 アゴニスト依存症患者において神経伝達物質を異常分泌させる部位。




  き


木崎(人名/悪魔憑き)
 支倉坂の石杖所在の家の三軒となりに妻と娘とともに住む男性。
 過労によって悪魔憑きになる。患部は首、新部は煽動で、目を合わせた者に自分の動きを強制させ、自分の首を回すことで殺す。彼の首は三百六十度マルチウェイなのでそれによって自分が死ぬことはない。
 会社で何らかのミスをしてしまい、生きているうちに返済することができないほどの借金を負う。上司に首を吊れと言われ、払われる一週間前に妻子に黙って会社を辞めた。それを知った妻子は金を残す死に方をしろと言ったが、そもそもそれに疲れた木崎はその場で首を回して自殺する。が、悪魔憑きの能力によって妻子を殺害し、自分は生き残るという結末に終わる。
 その後に彼の電話を聞いて駆けつけた警官二人を殺害する。
 2004年10月12日(雑誌掲載版では9日、ただし年表では9月某日)に石杖所在によって倒されるが、殺されてはいない。


木崎邸(地名)
 支倉坂二丁目ノ四ノ七。石杖邸の三軒隣。
 9月12日(雑誌掲載版では9日)に石杖所在に金銭目当てに侵入された。後に悪魔憑きとなった木崎氏により一家心中めいた事件が起こり、10月12日(雑誌掲載版では9日、ただし年表では9月某日)に石杖所在に払われた。



キヌイ(人名)
 病院に勤務する医師。通称ドクターロマン。堂々とロマンティックなことを言い放つ。ロリコンらしい。
 悪魔憑きは伝染しないという説を証明するようになんの恐れもなく患者たちに接している。
 2005年2月14日にオリガ記念病院が壊滅してから生死不明。


貫井(人名)
 詳細不明。キヌイ医師のことだろうか。


絹衣総合病院(地名)
 C県中部にある病院。日守秋星が1995年から三年間入院していた。


貫井未早(人名)
 (苗字の読み不詳。キヌイ?)みはや。十九歳。 誕生日は10月半ばから12月31日の間。2004年の大晦日には20歳。
 通称ツラヌイ。いいところの箱入り娘で金満学生。見た目はまだ高校生みたい。兄がたくさんいる。石杖所在とは高校からの腐れ縁で所在が好き。明朗快活、裏表のない性格、嘘もつけないマキシマム善人。欲しいものは欲しい、食べたいものは食べたいという我慢のきかない現代っ子。発言から行動まで数秒かからない。よく食いよく飲み、酒に強い。怪談は嫌がるが死体系は平気。
 携帯電話を頻繁に買い換える。携帯電話でロボットを作るのが夢。
 真面目に護身術を嗜んでおり、霧栖弥一郎の殺す気のタックルでもまったくダメージを与えられないばかりか逆に関節技をかけるほどの腕前。SVSに賭ける側で参加していた。
 良識人ではあるが、行動が原始的かつ刹那的であるため四六時中厄介ごとを招きよせる。別名、歩くバッドフラグ。
 きわめて料理が下手で、指を切りまくるうえ米さえ焦がす有り様。しかしある意味では凄い技術を持っており、唐揚げと見せかけて中身は賞味期限ギリギリのイシイハンバーグという珍妙な料理を作る。
 工場地帯の端の、もとはパン工場の女子寮だった家賃がべらぼうに安くて男子禁制のアパートに住んでいる。
 古いバンを騙されて買ったことがあり、寮の倉庫代わりに使用されていたが2004年12月31日に月見里朋里を見張るために石杖所在の要請で持ち出された。
 石杖所在が通っていた大学の生協の食堂のまぐろ丼定食が主食。ちなみに彼女が在学しているのは工業地帯にある女子大。
 迦遼海江の住処である森の貯水庫の地下室に入っても普段のハイテンションぶりは健在。四肢のない海江を見ても特に恐れるとかおぞましいとか感じることはなく、男であることに安心したというかそれはそれでまずいとか考えていた。




霧栖弥一郎(人名)
 石杖所在の相棒。身長180cmを超える巨漢。貫井未早いわく、手足長すぎてサルっぽい。所在の一歳下。かなり貧乏で、高校卒業後は八坂代に住んでいたが、2004年8月以降は支倉第十三福祉施設の所在の部屋に同居している。一人っ子。女好きで、外見だけなら石杖火鉈が好み。簡単な鍵開けができる。筋トレが趣味っぽい。彼の田舎では竹を食用とする。可愛い女性なら満遍なく好きになるが、本気で惚れる相手には出会えない。
 将来のために現在を犠牲にするという考えがそもそも浮かばない根無し草で、繁殖の義務さえ果たせばあとは好きにさせてくれ、という生き方をしている。自分には人並み外れた逆境で戦えるだけの強さがないとして自分を平凡だと考えており、同じ理由でその強さを持つ鋳車和観を尊敬していた。
 並外れた静止視力と神経伝達速度、瞬発力と一点集中のためどんな球種であろうとストライクゾーンに入る限り苦もなくジャストミートできるという天才的なスラッガーだが、野球を生活の手段にするという発想はまるでなく、野球は楽しむためにやっていた。ホームランを打つと嘔吐する、というか打つと嘔吐する。通算打率四割五分。
 六歳のときに祖父に野球の才能を見出されたが頑として野球はせず、野球を始めたのは小学二年生になって一人で投球練習をしていた鋳車和観と出会ってから。六年生のときに鋳車、キャッチャー役の少年とともにリトルリーグに入るが、他の選手との実力差から孤立していた。なお小学校を卒業してからは鋳車とは会っていない。中学に入ってからはあまり力を入れず自由に野球を楽しみ、不良学生として過ごした。支倉第一高校に進学してからもそちらの関係を絶たずにおり、一年生の秋に兄貴分の学生の兄貴分として西野晴墨と出会う。
 2001年の秋に鋳車和観を二度とボールが持てないようにすると宣言した青柳正を襲撃し、瀕死の重傷を負わせる。そこに居合わせた西野によって青柳は処理されたが、このことで霧栖は西野といわば一蓮托生になってしまう。またこれ以後、ボールは生首に、インパクトは人間の頭部を砕く行為に変貌してしまった。これがホームランを打つと嘔吐する理由である。それでも三年の夏まで野球を続けたのは鋳車との約束のためであった。
 2002年(高校三年生)頃には天才ピッチャー鋳車と並ぶ天才スラッガーと称された。『人を殺しかねない野球選手』と呼ばれたその腕は凄まじく、初球からホームランを打つほど。ある時期から相手をしたピッチャーは霧栖とは二度と勝負したくないと泣き言を言うようになった。
 2002年の夏の地区予選三回戦で鋳車をリリーフに擁するコアラヶ丘高校と対戦することになり、その前日に鋳車から『容赦なく打ち崩してくれ』と頼まれた。だが先発から二本のホームランを奪ったところで失神してしまい、鋳車と対戦することはできなかった。その後は多くのスカウトを断って野球をやめ、以後はボックスに立つどころかSVSにすら参加していない。そもそも二年生の秋に彼にとっての野球は終わっていた。だが素振りだけは毎日欠かさず行っている。また2004年8月18日の鋳車和観との対戦以後は遊び程度なら野球をするようになった。
 小学生の頃に鋳車とキャッチャーの少年とともに帽子の大人から願いを叶えてやると持ちかけられたが、そんなものはいらないと断った。
 2003年(2004年ともとれる記述があるが、2003年だろう)に高校を卒業してからは進学も就職もせず、荒事に手を染めるようになり、半年足らずで八坂代の不良の顔役にまでなった。そのため七瀬組に目をつけられて拉致され、『お説教』を受ける直前までいったが組長に猛烈に気に入られたために暫定案として西野晴墨の弟分として扱われることとなった。
 久織伸也の覚醒剤密売組織を潰した。
 2004年8月14日に迦遼海江ならば悪魔憑きを治せると思って森の貯水庫で海江に会うが、そのときの貯水庫の地下室の風景をおぞましいと恐れた。
 霧栖の一家は父親の栄転のため支倉市に来たのであり、両親は栄転が終わったことと霧栖の高校卒業を機に父方の実家に戻ったが、霧栖自身は支倉市に残り、八坂代(鑑別所)に居を構えた。
 2004年8月9日に石杖所在を騙ってドラッグの密売をしていた久織伸也のけじめをつけるため支倉第十三福祉施設の所在の部屋を訪れ、ゴールドの四番の携帯電話を渡してSVSに参加させる。連続殺人鬼シンカーとなった鋳車を止めようとするが、会って対戦することは頑なに拒んでいた。だが8月18日には能図の工業地帯の端にあるテナント建設現場の直角に曲がる通路で鏡越しに鋳車と対戦し、見事に打ち崩す。
 2004年10月には長野の令嬢が悪魔憑き(たぶん狂言)になったようで、そのお守りに行っていた。






  く


クラインキューブクラインネス(用語/俗称)
 →倉密メルカ。


倉密メルカ(人名/悪魔憑き)
 くらみつ めるか。
 出口なき脳髄陥穽。クラインキューブクラインネス。敗戦主義者。オリガ記念病院に入院していたD判定のアゴニスト異常症患者。2005年2月14日に石杖火鉈と戦い、火鉈の中に逃げ込んだために倒されないが逃げられないという状況に陥る。


   し


C県(地名)
 おそらく千葉県。
 総面積5000平方キロメートル。関東東部にある平坦な土地で60ほどの市があり、600万人が住んでいる。西部には埋立地がある。
 1990年以降、隣の県に行くルートは限られた高速道路とJRだけに限定されており、自力で県境を越えた悪魔憑きはいないらしい。一説によると県境は*原になっているとか。これはアゴニスト異常症患者をC県から出さないためという口実であるが、実際には他にも理由があったらしい。



支倉駅(地名)
 支倉市の中心的な駅と思われる。



支倉坂の連続猟奇殺人事件(用語)
 2003年2月に支倉坂で起きた連続殺人事件。延べ三十件の住宅が被害にあい、わずか一時間の間に死者十一名、重傷六名、軽傷十三名を出した。当初は日守秋星の犯行として捜査され、特殊犯捜査四係事件として扱われた。
 2003年2月14日午前零時に石杖邸から悲鳴を聞いた周辺住民からの通報を受け、警邏中の巡査二名が訪問。隣家の月見里邸で他殺死体を発見。支倉坂二丁目全域に避難勧告を発令し、全住民の避難を確認後、午前零時五十分に犯人が立てこもる石杖邸の包囲を完了。14日付で赴任した戸馬的警部補が指揮に当たり、自ら単身突入し午前一時七分に鎮圧、石杖火鉈を犯人として逮捕。なお包囲完了から死亡者はなし。動員人数は延べ四十名。
 実際には連続殺人をしていたのは月見里朋里で、ついでに殺しておこうと踏み込んだ石杖邸で火鉈に会ってしまったため悲鳴をあげて逃走し、そのまま失踪した。
 この際に石杖雅道とその妻が殺害されたが、その犯人が石杖火鉈であるか月見里朋里であるかは不明(当時の火鉈の思考から朋里であると思われる)。ただし手を繋がせて死化粧を施したのは火鉈。石杖所在もこの事件の犯人は火鉈だと思っている様子。


支倉市(地名)
 C県の最北、中央からやや東部よりにある。都心から通勤快速で二時間の田舎町。人口十五万人。半分以上が畑と山。
 東側にC県唯一の国際空港を持つ。都心に向う西側が都市として発展し、空港のある東側には山と畑が広がっている。なお空港の近くには有名な厄除け大師があり、初詣などは200万もの人々が参拝に訪れる。


支倉第十三号福祉施設(地名)
 鉄筋コンクリート六階建ての共同住宅。築三十年ほど。間取りは2DK。窓には飛び降り防止の格子がはまっている。支倉市の北のほうにある。
 アゴニスト異常症患者、およびアゴニスト異常症患者によって障害を受けた者を対象に貸し出される。市営団地であり、低所得者や障害者のためのものを切り替えたもの。管理人は石杖所在を装った久織巻菜の評によれば愛想のないババア。
 退院したアゴニスト異常症患者であるからか本来の価格なのかは不明だが、久織巻菜の一月の家賃は四桁。公共料金の支払いは管理人が一括して行っている。


白い左腕用の義手(用語)
 迦遼海江が石杖所在を装っていた久織巻菜に貸した義手。『憎悪』などのように切断面にくっつけることで装着でき、強い感情によって動くようになる。
 後の描写で『歓喜』は右腕の義手であり、こちらも巻菜に貸し出されていたことがわかる。だが別途に右腕の義肢が貸し出された様子もなく、巻菜には右腕があることから『歓喜』を左腕用に直して貸したものか、ともとれる。




シンカー(俗称)
 鋳車和観のこと。




  せ


瀬倉弓夜(人名/悪魔憑き)
 せくら ゆみや。
 コアラヶ丘高校の野球部に所属した投手で三年生の時には主将を務める。本来はリリーフだったが、鋳車和観が退部してからスタメンに回されたため調子を崩し、散々に打たれまくった。石杖所在の三歳年下。野球の才能に恵まれ、裕福な家柄。投法は左のサイドスローでスクリューを得意とする。精神的にはきわめて幼稚。
 2003年8月の地区予選決勝前日に他の野球部員7人とともに鋳車和観を集団暴行し、彼の肘と指を壊す。この理由は鋳車が一人で野球をしてチームメイトをまったく頼りにしていないことと、鋳車が貧しく、服装や肉親がみすぼらしく見えたこと。この事件は学校が隠蔽し、公表されていない。
 SVSが軌道に乗った後に参加し、より一般層に広めたカリスマ的存在。SVSをギャンブルではなくゲームとして楽しんでいた。コアラヶ丘高校の野球部の活動よりもSVSに重きを置いており、遅くとも2004年2月から半年間の無敗神話を築き、2004年8月の公式戦でもシルバーの一番の携帯電話を与えられた。
 他の投手たちとたむろしているところを鋳車和観らに『願いを叶えてやる』と持ちかけた男に悪魔憑きにされた。そのときに悪魔憑きになれずに殺し合いを始めた者たちを何人か殺したようだ。そのときに持っていたシルバーのエースの携帯電話を鋳車に残して逃走した。
 新部は左腕(肘?)で、第三の関節が伸縮する。新部を与えられると同時に「打たれると死ぬ」と言われたため、何者にも勝る球を投げられる腕と、万が一打たれたら死ぬという葛藤、さらにSVSの打者全員を殺せば治してやると言われたために精神的に疲弊する。
 支倉市の通り魔事件を知った彼の両親が祖父に事が公になる前に連れ戻してくれと頼み込み、祖父から戸馬的の実家に話が行き、最終的に戸馬的に命じられた石杖所在によって8月13日に鑑別所に滞在しているところを払われた。依頼内容は警察より先に弓夜を保護し、身体に異常があるのなら治療すること、ならびに感染の原因が判明したらその切除もすること。これは法によってではなく迦遼海江の切除によってなされることが強く望まれた。依頼料は一千万円だったが、鋳車が生き残ったため大幅に減額された。
 しかしその通り魔事件の犯人はシンカーこと鋳車和観であり、弓夜ではない。そのためSVSの参加者を殺したかは不明。
 なお悪魔払いのあとは悪魔憑きではなくなった(人体として異常な箇所がなくなった)ため、オリガ記念病院に送られることはなかった。ただし左腕はプレス機に挟まれたようになっており、二度と使い物にならない。また患部を切除されたため廃人になった。






  そ


憎悪(悪魔)
 迦遼海江の左腕の義肢。一メートル大の黒い盲目の犬。両目は生まれつきつぶれており光を感じることはないが、獲物を狩るときには人の眼球を借りて活動する。たまに石杖所在に貸与される。
 海江の憎悪で作られており、所在が使うときは彼が憎悪を抱き、理性や意識を失うことが必要。付けただけでは稼動部もないただの石膏のようなものだが、理性を失うごとにつながってゆく。
 対象に張り付き、“有る”部分を無で塗りつぶすことで無と同位にする。放っておけば悪魔憑きを完食してしまうため、患者を生かすつもりならば患部を食い尽くしたあたりで義手を取り外して止める必要がある。
 一体化した義手は刃物で切断でもしないと離れないが、腕を切る感覚は生きている。




増殖臓腑(用語/俗称)
 →屋敷戸京麻。




臓腑スクム(用語)
 石杖所在による日守秋星のあだ名候補。さすがに日守に拒否された






  と


戸馬的(人名)
 とうま まと。
 1976年生まれ。石杖所在の心の中の愛称第一位はトマトさん。所在の監察官にして監察医。所在のことを『しょざい』と呼ぶ。二十代の美人だが、その本性は弱者をいたぶるサド。理不尽で尊大で規則を重んじる暴力機構。ジャンクフードが好き。ベレッタM92を二挺使用している。
 悪魔憑きの保護を目的とした保安機関、公安特務の監察官。本庁公安二課より2003年2月14日付で支倉に赴任。彼女の扱いは警部補、意見できるのは警視くらいで、事実上支倉市では無敵。エリート街道を驀進中ではあるが、彼女の上昇志向は常人の十倍、所在の一千倍。現場仕事は嫌いだが銃は大好きなので、夢はシューティングレンジのある長官室。
 オリガ記念病院ではA棟に詰めていた。拷問に疲れることがないというほどのサディスト。そのくせ何かにつけて面倒見がいい。手術に麻酔は無粋と考えているらしい。イライラするとボールペンを回したり折ったりする。なおそのボールペンは所在には回転のこぎりに見える。煙草は吸わないようだ。触るのも嫌なほどトマトが苦手。
 愛車は真っ赤なボルボ40シリーズや赤いロードスター。
 義手を探していた所在にしぶしぶながら迦遼海江を紹介した。
 所在が称していわく、泣く子も心筋梗塞するトマトちゃん。石杖火鉈が称していわく、私以外の生き物はあの女に逆らうな。火鉈にしてもただの人間である戸馬的に鍛え方で負けたことで、それ以来トレーニングを欠かさなくなった。




都市アート集団(組織)
 月見里朋里が自分の『走る』行為の引き合いに出した。おそらくヤマカシなどのことと思われる。





  に


新島(人名)
 支倉第十三号福祉施設の石杖所在を装った久織巻菜の隣の部屋に住む三十代の男。愛想のよいゲイ。悪魔憑きではない。日常的に偽名を用いているようで、郵便物は『花園』名義で届く。





  の


能図(地名)
 支倉市の地名。久織伸也の家である通称『妄想団地』があるところ。




能図工業団地(地名)
 能図にある工業団地。ここで久織伸也の死体が発見された。





  ひ




久織伸也(人名)
 ひさおり しんや。2001年1月、16歳のときに両親の浩二と加代を殺害し、それを助けようとした姉の巻菜に重傷を負わせた。その事件は二年にわたる調査と裁判の結果、両親が事故死扱いになり『久織巻菜暴行事件』となっている。だがその実態は彼を極限状態に追い込んだ巻菜が巧妙な計算によって彼を使って両親を殺害し、その罪を着せて社会的に抹殺するために自ら飛び降りたのだ。
 その後精神病院に収容され、加害者は巻菜であり自分は被害者であると訴えていたが、巻菜が悪魔憑きであるとわかってからは自身の過失を認めていた。二年半に渡る精神治療の後に中等少年院に送致され、2004年初頭に保護観察扱いで社会復帰する。
 社会復帰してからは巻菜に復讐すべく彼女に報復が行くように軽犯罪を犯していった。石杖所在を装った巻菜が支倉第十三号福祉施設の前で少年少女に襲われたのはそのためである。
 そして社会復帰から半年後の八月、迦遼海江にすべてを打ち明けたあと、能図工業団地のかつて久織家が暮らしたマンションの303号室で死体となって発見された。死因は頚部裂傷による出血死で、久織巻菜が犯人であるかのように偽装して自殺した。




久織巻菜(人名/悪魔憑き)
 ひさおり まきな。
 久織伸也の姉。機械仕掛けのコピーキャット。究極の偽物。
 2001年1月に伸也に殺された両親を助けようとして伸也にマンションから突き落とされ、一命は取り留めたものの右腕が不随になった。というのが表向きだが、実際は伸也を使って両親を殺害し、その上伸也を社会的に抹殺するために自ら飛び降りた。
 幼時は神童と讃えられたが、あくまでごく普通の家庭である久織家にとってその存在は不相応であった。小学校二年生のときに彼女に授業を遊びと馬鹿にされた担任教師が『ならばすべて覚えてこい、でなければ教室に入れない』と言ってしまったため、勉強とは暗記だと理解して一週間ごとに一学年上の教科を暗記し、それ以上上のテキストを手に入れることができない六年生でようやく止まった。
 その天才振りと問題児振りから学校はもっといい学校に転校するよう親に勧めたが、あくまで普通である両親はそれを拒否。後に担任は学校を辞め、首吊り自殺を遂げた。それについて巻菜の取り巻きが「マキナに嫌われたから」などと当然のごとく話していた。おそらく『敵=排除するもの』と誰かが教え込んだせいだろう。
 学校ではテキストが手に入らないため学習はとまったが、家では際限なく資料を求め、片っ端から暗記してなぜか燃やしていくという学習を続けていた。そのため家計は傾き両親は小学五年生の巻菜にへりくだるというありさまになった。
 もとより癇癪持ちであったが、小学五年生のときに真昼間に平然と燃えながら団地の道路を横断する人を見てからそれがはっきりと現れた。それを家族に訴えたもののすでに倦んでいた家人はそれを無視し、そこで自分がいかに疎まれているか気づいてしまった。それからは自分の感情の振れを制御できないため、応急策として自分を客観視することにした。
 その後、自分は優れている、いい子であると誇示するように約束もなしに一人でいるところを狙って遊びに行く、好物を押し付ける、強引に悩みを解決する、本人でも知らない欠点や性格を親切に教えるようになった。無論それはとどまることを知らず、学年、団地規模で子供ばかりかその親にまで挨拶に行くなどということをしたため苦情が殺到し、それに疲れた浩二が『お前みたいなのは自分から何かをしちゃだめだ』と言ってしまったため、久織巻菜というパーソナリティを喪失し、自分から何かをすることがなくなり学校でも家庭でも無視されるようになった。
 高校に入学してからは休みがちになり、夏休み前には不登校になった。伸也も彼女と同じ学校に入学したため、教師が気を利かせたつもりで留年した巻菜と伸也を同じクラスにした。食卓でそのことを話していたときに加代が『何もできないなら伸也を見習え』と言ってしまったため、それからはすべてにおいて伸也を真似ていくことになった。
 それから一ヶ月はそれまでと変わらなかったが、ずっと伸也を観察するようになっていた。五月になって家庭内で両親との関係が改善されていき、鳥籠を購入してもらったが中に入れる鳥は『もういるから』と言い購入しなかった。鳥籠の鳥とは観察対象である久織伸也なのだから。彼女の観察は凄まじく精密で、伸也に翌日首を寝違えるからほぐしておけと忠告し、それを聞き入れないことも見越して自分も同じく寝違えるほど。
 六月には登校するようになったが、それは伸也の生活の焼き直しだった。生活習慣、成績、趣味嗜好、話術、エトセトラエトセトラ。しかしそれは完璧なコピーではなく、すべてにおいて一つ上であった。それによって伸也の居場所は徐々に減っていき、彼は二学期から不登校になって自殺まで図るようになる。
 そのころには『大切に思ったことはない、中身はどうでもいい虫けらだ』と言って鳥籠を処分した。耐え切れなくなった伸也が巻菜を“脅そう”と金属バットを持ち出したところ、伸也を真似た巻菜は包丁を持って出迎えた。彼女の中の伸也は“殺そう”と思っていたのだ。
 その後、2001年初頭に限界状態の伸也を使って両親を殺害し、その罪を伸也に擦り付けたが、悪魔憑きであることがわかりオリガ記念病院に収容された。およそ三年間C棟に収容されており、久織伸也として振舞っていた。なお飛び降りた際に不随になった右腕は病院で切除された。
 2004年初頭に退院し、親族に受け入れを拒否されたため支倉第十三号福祉施設に入居。外では入院中に覚えた石杖所在というパーソナリティを使っていた。山田から迦遼海江の世話役を引き継ぎ半年間務めたが、伸也が石杖所在を装って暴行事件を起こし、さらに巻菜に殺害されたと装って自殺したために所在の皮を被っていることができなくなる。そのため迦遼海江を殺してその椅子に座ろうとしたが、あえなく返り討ちにあう。しかし殺されたわけではなく、海江の右腕の義手である歓喜を貸し出されたまま支倉市で姿を隠す。なお世話役の引継ぎはしっかり行った。
 もし見られた場合には誰かを装う生活が破綻してしまうため、本名が記されている通帳はもとより財産はすべて持ち歩く。同じ理由で記録に残るようなことはしない。
 悪魔憑きの症状は顔の皮膚がデリケートになったこと。わかりやすくいえば感情とは無関係に好きな表情を作ることができるのだ。




日守秋星(人名/悪魔憑き)
 ひのもり しゅうせい。2003年2月14日当時28歳。広域指名手配犯。
 2002年10月に支倉市に現れると噂された悪魔憑きの男。吸血鬼じみた猟奇殺人犯であるらしい。C県最南部の市で捕まったが、輸送中に脱走し警察の手を逃れて北上していた。





  ふ


扶桑雪緒(人名/悪魔憑き)
 ふそう ゆきお。
 悪魔憑きを病気ではなく本当に悪魔が憑いたのだと思い込んでいた。家は支倉市高之台にあり、四年前から自宅療養していた。
 中学生のころから拒食症だったが、あまりの空腹で悪魔憑きになる。空腹が原因で悪魔憑きになったためにひたすら何かを食べ続けることになったが、太りたくないのでいくら食べても太らない食材を探す。結果、犬や猫を食べ、最終的には人間を食べる。人間を食べるときはまず頭蓋を切開して脳髄を食べてから体を食べた。
 患部は胃、新部は溶解で、体中から強力な胃酸を出し、.38口径の銃弾をも溶かす。その胃酸によって自らも溶けるが。戸馬的は彼女への対抗策として火炎放射器を申請し、それが却下されると水責めのために消防車を手配した。
 拒食症なので食べてもすぐに吐くが、その五倍(一日あたり六十キログラム)食べていたので、その容貌は枯れ木のような姿から球体にまで膨れ上がった。
 2004年10月13日に石杖所在に払われるが、ギリギリのところで所在が左腕を切り離したので生きてはいる。





  ま


マリオン(地名)
 支倉第十三号福祉施設の向かいにある喫茶店。値段は平均八百円。





  み


幹城水産支倉第二工場(地名)
 もとは養鶏場だったがウィルス騒ぎで潰れ、缶詰工場に鞍替えするも資金繰りができずに廃棄された。といっても廃棄は始まっておらず、準備段階で見捨てられたために養鶏場の面影も缶詰を作るオートメーションもない。
 三階建ての社屋がある。
 養鶏場を経営していた一家は首を吊って自殺した。
 倉庫として使われていたのだろう七メートル四方の空間は扶桑雪緒によって食事用の死体倉庫として使われていた。





  も


妄想団地(俗称/地名)
 支倉市能図にある団地。支倉市三大怪談のひとつであり、久織一家はこの三号棟303号室に住んでいた。間取りは3LDK。




森の貯水庫(地名)
 迦遼海江の住居。森の中にある10メートル四方の立方体の緊急時用貯水庫の地下にある。
 それがあるのは私有地で、もともと大きな屋敷(迦遼邸?)があったが既に取り壊されている。貯水庫の存在自体がほとんど知られていないうえ、その地下室の存在を知るのは石杖所在、戸馬的などごくわずかしかいない。
 海江が使っているベッドは真横から出ないと顔が見えないように配置されている。そこからの通信手段はその部屋のどこかにあるという黒電話だけ。ソファーの座り心地が最高で、所在はそこでなら三日三晩眠り続ける自信があるという。
 床はまるで西洋の城の一室のような市松模様で、天井は一面ガラス張りの水槽。部屋そのものも立方体。部屋の四方の壁にはそれぞれドアがあり、南のドアが入口で、その横に扉のない洗面所がある。南以外のドアは文字通り開かずの扉。キッチンはなく、水道も通っていないため蒸留水を買いだめしてある。夜は危ないらしい。





  や


山田(人名)
 三十代後半の男性。山田というのは偽名。久織巻菜の前の迦遼海江の世話役だったが、解雇されたらしい。世話役の最後の務めとして巻菜を後任として引き継ぎを行った。




山田さん全焼事件(用語)
 1995年に発生した事件。詳細不明だが、時期が一致することから久織巻菜が真昼間に燃えながら平然と団地の道路を横断する人物を目撃した事件と思われる。




月見里朋里(人名/悪魔憑き)
 やまなし ともり。
 『月見里朋里』という名は彼女の数少ない売りの一つで、これを字面で見た教師は「こんな無駄のない、面白みのない名前は見たことがない」と話題にした。彼女の兄は彼女が小学生の頃までは「名前はヘン。けどおまえは美人」、高校生になってからは二分ぐらい考えてから「日本人形とうさぎのコラボ。うん、イケてる」と評した。
 悪魔憑きとしての能力は人間としての運動能力が大幅に向上すること。
 朋里が五歳の頃、寝たきりとなった祖父を両親が見殺しにした。そのときは夏休みで朋里と兄は田舎に遊びに行かされていたが、朋里だけ一日早く帰ったため両親が祖父を見殺しにするのを目撃する。
 以後、父は数日おきに婉曲に朋里が共犯者であることを確認し、母は共犯者であることを監視するようになった。休日はその最たるもので、高校生になるまで一日書斎にいた。書斎には天窓があるため、朋里は若くして月見の妙に目覚めた。
 久織巻菜の事件を知ってから少しずつ自身に異変を感じ始め、ひたすら走ることを始める。それは見つからないように夜に行っていたのだが、ある日朝に『走って』しまったため女の子に見つかり、一撃で殺害する。死体は森の中に隠し、以来数日おきに殺人を繰り返すようになった。殺人の嗜好は男より女、大人より子供が好み。
 邪魔になった両親を殺すため、折しも支倉市に現れると噂されていた猟奇殺人鬼の日守秋星の犯行に見せかけることを計画し、2003年初頭から2月にかけて支倉坂二丁目の女性や子供を片っ端から殺していった。そして2003年2月13日深夜から14日にかけて計画を実行した際、ついでに石杖邸に踏み込んだために石杖火鉈と出会ってしまい、逃走。そのときに警察の対応が異様に早かったのは火鉈に出会った朋里があげた悲鳴が原因。
 以後も殺人は続けたようだが、火鉈に対して感じた恐怖のため最も好む獲物であった少女を殺すどころか目を合わせることもできなくなる。2004年12月31日、戸馬的によって逮捕された。
 なお祖父を亡くしたときの記憶から追跡妄想にかかっており、後ろを振り向く癖がある。




月見里朋里の兄(人名)
 ごく普通。生死不明(尤も殺す理由がないため生存の可能性が高いと思われる)。


[ 此贴被圆桌骑士在2007-11-17 15:37重新编辑 ]

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主题

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存在感

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活跃日
 4 

SOS团一星级★

1楼
发表于 2007/11/17 | 编辑
額...全部日文看不懂..

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主题

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存在感

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活跃日
帅哥离线 这就是囧巴达!
 4 

SOS团一星级★

2楼
发表于 2007/11/17 | 编辑
LZ是想..
炫耀自己的日文很专业?

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主题

234

存在感

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活跃日
帅哥离线 千年的祈祷
 5 

SOS团二星级★★

3楼
发表于 2007/11/17 | 编辑
真的一点都看不明白啊5555555555

206

主题

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存在感

658

活跃日
喵~离线 掀喜帕偷觑美君郎
 8 

家中的荣誉团员

4楼
发表于 2007/11/17 | 编辑
没看不懂的飘过~
PS:LZ发帖注意前缀!

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活跃日
帅哥离线 永遠と須臾の罪人
 4 

SOS团一星级★

5楼
发表于 2007/11/17 | 编辑
。。。。。。只能凭借自己的认识勉强理解一下

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活跃日
 3 

SOS团新手

6楼
发表于 2007/11/17 | 编辑
东西是好东西..关键俺看不懂啊.....T T

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活跃日
 5 

SOS团二星级★★

7楼
发表于 2007/11/17 | 编辑
勉强看懂10%...果然要去学J文啊

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活跃日
 2 

实习生

8楼
发表于 2007/11/17 | 编辑
嗯嗯 说的有道理啊 哈哈

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